狩野祐介

初出場&初勝利に「率直にうれしい」

天皇杯ファイナルラウンド、滋賀レイクスターズはシーホース三河を相手に73-65で競り勝ち、ベスト4進出を決めた。

序盤に狩野祐介が連続で3ポイントシュートを沈めたことで、滋賀が試合のペースを握った。第3クォーターに逆転を許すも、ゲームハイの21得点を挙げたジェフ・エアーズの活躍もあり、リードチェンジを繰り返す接戦へと持ち込む。最終クォーター残り1分44秒、クリス・ジョンソンに速攻を決められ2点差に迫られたが、ここで狩俣昌也が値千金の3ポイントシュートを沈めて滋賀が5点リードと突き放す。焦った三河はダバンテ・ガードナーがエアーズに対してアンスポーツマンライクファウル。これが決め手となり、滋賀が接戦を制した。

3本の3ポイントシュートを含む11得点4アシストを記録した狩野は「個人としてもチームとしても、ここまで登り詰めたのは初めてですし、率直にうれしいです」と笑顔を見せた。

実際、滋賀にとって天皇杯のファイナルラウンド出場は初めてのこと。そのため、どの選手も総じて緊張していたというが、その緊張感を吹き飛ばしたのは狩野の3ポイントシュートだった。

試合はロースコアの展開となったが、24アシストという数字が示すように、滋賀はよくボールをシェアし、チームバスケットが機能した。また、シェーファー・アヴィ幸樹のオフェンスリバウンドや合わせ、金丸晃輔をシャットアウトした佐藤卓磨のディフェンス、そして狩俣の3ポイントシュートと、それぞれの選手が役割を果たした結果の勝利だった。

狩野も「チームで戦うバスケをやっていて、それが結果として勝ちに繋がった。天皇杯ですけど、リーグ戦にも繋がるバスケができている」と、チームの出来に手応えを得ている。

狩野祐介

「チャレンジャーとして戦っている」

滋賀はチームバスケットで接戦をモノにしたが、狩野は「強いチームはいっぱいいます。自分たちのことを強いとは思っていないですし、チャレンジャーとしてずっと戦っています」と、挑戦者としての姿勢を崩さない。それでも狩野が「自信を持って戦っている結果」と表現するこの勝利は、チームのポテンシャルとスタイルへの自信を深めるものだ。

明後日の準決勝はレバンガ北海道を76-60で下したサンロッカーズ渋谷と対戦する。今シーズンの対戦成績は1勝1敗の五分だが、「2戦目は勝ったんですが、リーグ戦の初日にコテンパンにやられている」と、苦い記憶がある。

狩野の言う1戦目は、前半で背負った18点のビハインドを覆せず敗れた試合で、狩野自身も無得点に終わっていた。

「出だしで持っていかれないように、今日のようなバスケを出だしからやりたい」と狩野は言う。今日の試合は狩野の連続3ポイントシュートがきっかけとなり、滋賀が試合の主導権を握った。滋賀がこの先も勝ち上がっていけるかどうかは、チームリーダーの狩野の出だしのパフォーマンスに懸かっている。