ベンドラメ礼生

「トーナメントは初戦が大事だと思っていました」

今日から天皇杯と皇后杯のファイナルラウンドがさいたまスーパーアリーナで行われている。

サンロッカーズ渋谷はレバンガ北海道と準々決勝で対戦し、76-60で勝利した。序盤はSR渋谷がディフェンスリバウンドからの速攻やズレを作ってシュートを決めるなど24-9と圧倒したものの、そこからディフェンスを立て直した北海道のペースに。それでもここでベンドラメ礼生の3ポイントシュートをきっかけにSR渋谷が立ち直り、リードを保ち続けた。

そのベンドラメは20得点3アシストで勝利に貢献。「トーナメントは初戦が大事だと思っていました。前回のリーグ戦で北海道には負けているので、勝ちたい気持ちも強かったです」とホッとした表情で語る。

24-9と突き放した立ち上がりには「僕たちの課題である出だしで、しっかり自分たちのゲームを作って入れたのは良かった」と手応えがあったが、無得点が5分間も続いた第2クォーターについては反省している。

「第1クォーターの良かった時は、どんどんアタックしてリングに向かっていました。でも、第2クォーターは相手のディフェンスにはまってしまい、プレーセットをしっかりできなかったり、自分たちの走るオフェンスという流れの中で攻めることができませんでした。そこでオフェンスが止まってしまい、相手にやられてしまいました」

ベンドラメが言うように、得点が停滞している時のSR渋谷はボールも動いておらず、自分たちのリズムの中でシュートが打てなかった。それでも後半に持ち直したのは、シンプルに攻める気持ちを取り戻せたから。「もっとリングにアタックする、フォーメーションを作らなくても良いから早めにスクリーンをかけて、まずペイントにボールを入れる。そうやって一度自分たちのリズムで攻めることができれば流れも出てきます。ハーフタイムでそういう声かけがありました」

ベンドラメ礼生

「内容よりも、1点でも多く取って勝てばいい」

今シーズンのSR渋谷は19勝9敗と東地区で3位に位置し、開幕からの好調を依然として維持している。天皇杯は一発勝負となり、レギュラーシーズンとは違った難しさがあるが、「一発勝負ですけどいつもの試合と変わらず、ただ勝ちを目指して頑張るだけなので、そこまで意識はしていない。トーナメントなので内容よりも、1点でも多く取って勝てばいいと思っています」とベンドラメは言う。

明後日の準決勝では滋賀レイクスターズとの対戦。「入りで相手に勢いを与えずに自分たちのバスケットをしっかりすること。ウチの流れが悪い時は10点差から詰められたり、相手に流れを持って行かれる部分があるので、トーナメントでそれをやってしまうと勢いに乗られてしまいます。点差が離れた時にしっかり自分たちの流れを繋いで10点、20点と点数を離していく。そういったところが鍵になると思います」

この試合では北海道に勢いを与える場面もあったが自分たちで悪い流れを断つことができた。一発勝負ではまずは試合にどう入るかが大事、そして流れの悪い時に引きずらず立て直すことが重要になる。目の前の1勝をつかみにいく姿を続く2試合でも貫けるか。SR渋谷でそのカギとなるのはエースのベンドラメだろう。