超強力『外国籍トリオ』と日本人選手の融合が進む名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、『驚異的なチーム』を目指して

2017/10/23
Bリーグ&国内
47

文=大島和人 写真=B.LEAGUE

タイプは異なるが粒揃いの外国籍選手トリオ

名古屋ダイヤモンドドルフィンズは今シーズン、シーホース三河とともに中地区へスライドしてきた。昨シーズンは西地区4位にとどまったが、新ヘッドコーチに梶山信吾が就任し、ジャンプアップを予感させる陣容も揃っている。

名古屋Dの大黒柱と言えばJB(ジャスティン・バーレル)だ。横浜ビー・コルセアーズや千葉ジェッツを経ての加入で、滞日通算5シーズン目。昨シーズンはBリーグのオールスター戦にも選出されているセンターである。JT(ジェロウム・ティルマン)も滞日はレバンガ北海道時代から通算5シーズン目。3ポイントシュートの精度が光るパワーフォワードだ。

ここに加わった3人目がCB(クレイグ・ブラッキンズ)。76ERS時代にNBAでプレーしたこともあり、今年1月に滋賀レイクスターズへ加入。西地区最下位、降格圏内に進んでいたチームが最終10試合で8勝を挙げるという驚異的なラストスパートに貢献した。

こうして揃ったJB、JT、CBのトリオは実力的に粒揃いで、8試合を終えた時点のプレータイムもほぼ均等。ただプレーのタイプはそれぞれに少しずつ違う。名古屋Dは昨シーズン半ばまで西地区2位と首位の三河に迫っていたが、JBの負傷から一気にチームが崩れた。JBの復調だけでも大きなプラスで、そこにブラッキンズの活躍はさらなる『伸びしろ』となる。

22日の三遠戦では主にバーレルがオン・ザ・コート「1」、ティルマンとブラッキンズはオン・ザ・コート「2」の時間帯にプレーしていた。中東泰斗は3人の使い分けについてこう説明する。

「JBは本当にインサイドが強い。彼が入っているときはインサイドで攻めてくれて、僕らはそういう時に外へ行ったりできる。JTとCBなら2人とも3ポイントシュートが上手いし、JTはアタックもできる。第1クォーターは中、第2クォーターは外みたいな感じで攻撃の緩急を付けられるチームになったと思います」

ブラッキンズと笹山の『ホットライン』が開通

ブラッキンズは22日の三遠ネオフェニックス戦では27得点10リバウンドの大活躍を見せた。208cm114kgという体格だが、中東も触れたようにアウトサイドでのプレーを好むオールラウンダータイプ。22日の三遠戦でも3ポイントシュートを5投して4本成功させている。

本人にこのスタッツについて尋ねるとこんな答えが返ってきた。「ステフ・カリーじゃないから5分の4が普通とは言いづらいけれど(笑)、自分は3ポイントシューターなので、びっくりはしていない」

梶山信吾ヘッドコーチも彼の活躍に顔をほころばせていた。「最高ですね。インサイドもアウトサイドもできますし、パスも上手い選手です。昨日はディフェンスがソフトだったんですけど、今日はそこも一生懸命にやってくれた。何でもできる選手なのでJB5番、CB4番という組み合わせもある。久々というか、初めてかな……? CBが気持ちよくバスケットボールを楽しみながらやってくれました。彼の持ち味はアウトサイドができる大きい選手ということだけど、そこを笹山が使いこなせるようになってきた。意思疎通ができるようになったのはチームにとってプラスになります」

ブラッキンズ自身も得点やリバウンド以上に、ディフェンス面の手ごたえを口にしていた。「ディフェンスに集中していました。ガードとも、みんなで共通理解を持ってプレーできるようによく話もできた。JBのファウルトラブルもあった中で、チーム一丸となってプレーしなければいけないということを考えて、良いディフェンスからオフェンスに持っていけた」

22日の試合で目に付いたのがポイントガードの笹山貴哉とブラッキンズの連携だ。第1クォーターの途中と、第4クォーターに2人は同時にプレーしている。笹山は第4クォーターに3アシストを記録しているが、それに合わせたのがすべてブラッキンズ。笹山からブラッキンズの『ホットライン』が開通していた。

ブラッキンズは笹山についてこう評する。「ササは本当に良い選手だし、ずる賢いところもある。彼に合わせるのが難しい時もあった。今日はそのタイミングを合わせてプレーできたし、ここから2人の関係はもっと良くなると思う。ピタッとハマったのは今日が最初という感じ」

22日の第4クォーターにはプレーが止まった時に笹山とブラッキンズがよくコミュニケーションをとっていた。ブラッキンズも「ササとはよく喋る」と明かすので気になって聞いてみた。「笹山選手の英語力はどうなんですか?」

ブラッキンズは多少苦笑い気味ではあったが「大事な単語は伝わっています」と答えてくれた。

個人能力とチームに取り込むことで『驚異的なチーム』に

笹山もブラッキンズと組むことで生まれる可能性を感じているようだった。「ブラッキンズはIQが高いので、自分のマークマンがどこにいるかというのでダイブしたりポップしたりというのを考えられる。ジャスティンとは阿吽の呼吸でできるんですけど、ブラッキンズに関しては『阿吽』というところまではできていない。ブラッキンズが一番フィットしていた試合なんですけど、まだまだもっとできる部分がある」

2人のピックアンドロールからはいろいろなオプションがあるだろう。笹山がシュートする、アシストをするという形もあるし、ブラッキンズがゴール下にダイブする、外にポップするという形もある。ブラッキンズのクレバーとオールラウンドな能力が、連携の「幅」を拡げていて、22日の試合ではその一端が見えた。

22日の27得点はブラッキンズがチームにフィットした証明だが、まだ『完成』ではない。リーグ戦はまだ8試合目を終えた序盤で、チーム作りや連携の構築は良くも悪くもまだ途上。笹山はブラッキンズの課題としてインサイドのプレーを挙げていた。

「ジャスティンがいない時間帯はもう少し中で頑張ってほしい。外回りの選手なのでポップしたい気持ちは分かるんですけど、一回中で落ち着かせるというところはまだ少し物足りない。パスが上手い選手なので探してくれるのは日本人としてありがたいんですけど、もう少し積極的に行っていいところもある」

名古屋Dは三遠との2連戦を5連敗という状況で迎えていた。チームと彼らの融合が進んでいなかったからだろう。笹山はこう分析する。

「このチームのダメな時間帯は、3人に『自分が自分が』っていうのが出ちゃっている時。チームスタイルとしてボールをシェアしている時間帯が一番良い流れになる。苦しい時こそいつも通りのプレーを心掛けてみんなやっていますし、トライはしている。彼らの1対1のオフェンス能力を崩しながらの中でやれれば、『驚異的なチーム』になるんじゃないかと思っています」