金丸晃輔

「ボールが動いているとシュートチャンスも生まれてくる」

シーホース三河は昨日、横浜ビー・コルセアーズに81-67で勝利した。

横浜の速いペースにのまれ、開始1分半で0-7にされた三河だが、すぐにタイムアウトを取り落ち着きを取り戻す。パス回しやキックアウトでズレを作り3ポイントシュートを第1クォーターだけで5本中4本成功させて逆転。そのままリードを保って快勝した。

この試合では失点を67に抑えるなど三河のディフェンスが機能した。ローテーションをしっかりと行い、中に入られてもカバーに入る。タフショットを打たせ、ディフェンスリバウンドからのブレイクという理想的なバスケットを展開。ハーフコートオフェンスでもスペーシングやパス回しを徹底し、全員が得点に絡んだ。

金丸晃輔はこの試合で20得点を記録し、「後半は特にボールと人が動いていたので、気持ち良くシュートを打てました。今日みたいにボールが動いているとシュートチャンスもたくさん生まれてくるので、こういうバスケだとやりやすい」と手応えを感じている。

三河は今シーズン、ダバンテ・ガードナーや川村卓也と大型補強を敢行するも、開幕からはなかなか勝てない日々が続いた。金丸にとっては想定内でもあり、少なからず焦る展開でもあった。

「メンバーが代わって最初から上手くいくとは思っていなかったです。最悪、接戦で勝ちきれる感じかなと想定していたんですけど、結構負けが続いたので『どうしよう』という感じになりました」と苦笑いで話す。

それでも今節で横浜に勝利し、今シーズン初の4連勝を記録。ようやくチームが噛み合ってきた要因を金丸は「チームのためにという考えを持った選手が多くなってきた」と言う。

「三河にいるメンバーはどこのチームに行っても中心になれる選手ですよね。だからみんな『僕がやらないと』っていう自覚があると思うんです。今まではそういう部分がちょっと出すぎちゃって空回りしました。何がきっかけでというわけではないですけど、天皇杯の2次予選あたりからチームのために、という意識に変わってきた感じがします」

金丸晃輔

「あれは昨シーズンで最初で最後にしたい」

開幕直後は接戦を勝ちきれず「勝負どころで意図のないオフェンスをして、終わり方の共通意識ができていない」と話していた。しかし、「今はそれも改善されてきています。今日の試合でも最後まで落ち着いてミスもなかったですし、意図のないオフェンスもなくなってきています」と、共通意識の面でも手応えを得ているという。

これで2019年の全日程を終えたが、金丸にどんな1年だったかと問うと「しんどかったですね(笑)」と答えた。

Bリーグ開幕以降、三河は2年連続で地区優勝を果たしていたが、昨シーズンはチャンピオンシップ進出を逃した。「あんな経験をしたことはありませんでした。あれは昨シーズンで最初で最後にしたいです」

そして初めて長いオフを過ごした当時の心境をこう明かした。「釣りもしていたんですけど、ぶっちゃけ100%釣りに集中できなかったです。どうしても『来シーズンどうしよう』っていうのが頭によぎっちゃうんです。その時はメンバーが入れ替わることは分かっていたので、どうやっていこうかなと。昨シーズンは噛み合わない部分が多くて悩んでいたんですけど、それが新シーズンにも続くのは嫌だったので、準備をしないといけないし、僕自身はどういう攻め方をしたらいいのか、とか。そういうことを考えながら釣りをしていました」

金丸晃輔

「最後は勝てて良い形で締めくくれました」

年明けには天皇杯が待ち構えている。三河は滋賀レイクスターズと対戦するが、レギュラーシーズンでは連敗を喫している。それでも「勝てない相手ではありません。一発勝負で何があるか分からないので、自分たちを信じてやるだけです」と意気込みを語る。

「2019年はしんどかったですけど、最後は勝てて良い形で締めくくれました。2020年はこれを維持しつつ、もっと良くして連勝を伸ばしていきたいです」

チームケミストリーも高まってきた今、強い三河の復活が期待できる。紆余曲折あった2019年だったが、ようやく明るい兆しも見えてきた。2020年は金丸にとって良い1年になることを願いつつ、強い三河の復活に期待したい。