スレイマニとのマッチアップを制す
ウインターカップ6日目、福岡大学附属大濠(福岡)は北陸(福井)との準決勝を99-69で勝利し、決勝進出を決めた。
この試合でゲームハイの25得点を挙げたのは、スコアラーの横地聖真やキャプテンの西田公陽でもなく、200cmのセンター木林優だった。木林は3本の3ポイントシュートを含む25得点12リバウンドのダブル・ダブルを記録した。
北陸は202cmの留学生ダンテ・スレイマニを擁する。留学生の存在はそのチームにアドバンテージをもたらすが、木林はスレイマニを超える存在感を示した。「自分よりも大きい相手に対し武器である3ポイントシュートを決めて、外でプレーしたり詰めてきたらドライブとか、自分のやりたいことができた」と、木林も自身のパフォーマンスに手応えを得ている。
実際、木林は味方のドライブするスペースを広げ、リムプロテクターのスレイマニを外に引き出すことでチームオフェンスを援護射撃。さらに3ポイントシュートを相手に警戒させることで、ドライブやポストアップの威力も増した。
木林は「聖真や公陽は点を取るのが当たり前。自分が外を決めて中もやれれば、チームに勢いがつく」と話し、自身の活躍がチームの勝敗を左右することを理解している。
「自分がマッチアップした留学生の中で一番」
ウインターカップの決勝戦は大濠と福岡第一(福岡)の『福岡決戦』となった。過去何度も対戦し、自他ともに認めるライバル校同士の戦いとなったが、木林も普段とは違う感情を抱いている。
「県大会の決勝だったり、九州の決勝でやってきましたけど、やっぱり全国の決勝は胸の高まりが違いますね」
接戦には持ちこむものの、今年の大濠は福岡第一にいまだ勝利していない。九州大会では81-100と完敗を喫したが、木林はその時に4本の3ポイントシュートを含む、31得点を挙げて孤軍奮闘した。
福岡第一の強みは河村勇輝を起点とした超高速トランジションバスケであり、それを可能にするのがゴールを死守するクベマジョセフ・スティーブの存在だ。高さとパワー、さらに走力も備え、木林をして「強いですし、手も長いですし、自分がマッチアップした留学生の中で一番だと思う」と言わしめる存在だ。
スティーブとのマッチアップでどれだけイニシアチブが取れるか。これは福岡第一の速攻を封じるのと同じくらい重要なカギを握る。「30点取った時も外のシュートの確率が良かったですし、ドライブも良かったので、両方使い分けていきたい。自分がしっかり点を取れば絶対勝てると思う。チームのみんなも気合入ってるし、絶対に勝ちたいです」
大濠の悲願達成のためには木林の内外での奮闘が必須となる。過去最高級に注目を集めるウインターカップ男子決勝戦は本日12時ティップオフとなる。