ティム・ダンカン

ジノビリも称賛「選手たちも彼が近くにいる環境を生かせる」

今年の7月下旬、ティム・ダンカンがスパーズのアシスタントコーチに就任したという報せは、多くのファンや関係者を驚かせた。

2016年に現役を引退したダンカンは、それから時折スパーズの練習施設で若手にアドバイスを送る姿が確認されていたが、正式なスタッフとしてチームに復帰する姿は想像できなかったからだ。

現役時代にダンカン、トニー・パーカーとビッグ3を形成したマヌ・ジノビリも、「決断する前の彼と話したけど驚いたね。でも、みんなにとって良いことだから僕はうれしかったな」と、『Fox SanAntonio』に語った。

今シーズンのスパーズはなかなか調子が上がらず、11月には8連敗を喫した。だが、そこから徐々に勝ち星を増やし、まだプレーオフ進出の可能性がある西カンファレンス9位にまで順位を上げている。

名将グレッグ・ポポビッチは、自身が退場処分を受けた試合で、ヘッドコーチとしてチームを率いた教え子について、「彼は間違いなく特別な人物で、若い選手にとっても、彼が近くにいてくれるのは素晴らしいこと。彼がいてくれてうれしい」と、絶賛した。

ダンカンは、試合前に選手の個人練習に付き合い、試合中は指示が必要な選手にアドバイスを送っている。アシスタントコーチ就任後も特に会見を設けず、メディアの前で一切語っていないところも、実にダンカンらしい。

ジノビリは「ポップも喜ぶし、チームに必要な存在。選手たちも彼が近くにいる環境を生かせるよ」と言う。

今シーズンは上位でのプレーオフ進出が厳しいとしても、コーチ・ダンカンは、今後の球団を支える選手たちを育てるため、指導者としてのキャリアに力を入れている。