2人の性格の差は、プレースタイルにも表れている
今のNBAで最大のライバルはレイカーズのレブロン・ジェームズとクリッパーズのカワイ・レナードだと言っても過言ではない。
レブロンとレナードはスーパースターの条件が揃った数少ない選手だ。両者とも複数回NBAチャンピオンになっており、ファイナルMVPも獲得している。レブロンはヒートとキャバリアーズで、レナードはスパーズとラプターズでそれぞれチャンピオンになった。レブロンはリーダーとしてヒートとキャブズを引っ張っていたが、スパーズが優勝した時のレナードはそうではなかった。それでも、昨シーズンのラプターズはレナードのチームだった。
ともに実績には何の申し分もないが、性格は対照的だ。レブロンは情熱的で思ったことを口にするタイプだ。心理的な駆け引きをして相手を揺さぶるのも得意。一方、レナードはストイックで何事にも動じないタイプで、試合中に興奮して怒鳴ったりすることはなく、感情をコントロールしている。
この差はプレースタイルにも表れている。レブロンはチームメートとコミュニケーションを取りながらチーム全体のレベルを押し上げることが好きだし、実際にそうしてきた。得点だけでなく、アシスト、リバウンド、ディフェンスとすべての要素で高いレベルのプレーができるオールラウンダーだ。一方、レナードは、ディフェンスの優先順位が最も高く、得点は2番目。ただ、この2つの能力が突出して高い。
公言してはいないが、レブロンとレナードがお互いをライバル視しているのは明らかだ。レナードのシューズのCMでは、ロサンゼルスは彼の街だというメッセージが流れ、車の鍵に付いている王冠がアップで映し出される。王冠がレブロンのニックネーム「キング」を意図していることが分かる演出だ。一方、レブロンは試合を欠場させて選手への負担を減らすロードマネジメントについて否定的な発言をしている。この発言はロードマネジメントの代表例であるレナード個人への攻撃ではないが、彼らのバスケ観の相違を表している点で非常に興味深い。
10月22日の両者の対戦ではクリッパーズが112-102で勝利した。この試合でレナードは30得点を挙げ、レブロンとアンソニー・デービスは第4クォーターで合わせて2点しか取れなかった。クリスマスに開催されるリマッチは今年の西カンファレンス決勝の前哨戦とも言われている。2人のスーパースターはカチンコのバトルを見せてくれるに違いない。