カイル・ラウリー

全員に称賛されるもラウリーは「みんなのおかげ」

ラプターズは12月22日のマーベリックス戦、一時30点あった点差をひっくり返し、110-107で劇的な逆転勝利を収めた。30点差からの逆転勝ちはフランチャイズ史上初めてだ。ラプターズはこれで5連勝、21勝8敗とし、ヒートと並び東カンファレンス3位へと浮上した。

第3クォーター残り2分55秒の時点でマーベリックスとの点差は30点まで開いていた。しかもチームは、エースのパスカル・シアカム(平均25.1得点)、ノーマン・パウエル(14.4得点)、マルク・ガソルといった攻守の要をケガで欠く苦しい状況。相手は、エースのルカ・ドンチッチ不在ながら、アウェーゲームを11勝2敗と苦にしないマブスだった。

追い込まれたチームを救ったのはカイル・ラウリーだ。ラウリーはこの試合で32得点を挙げたが、そのうちの20点を第4クォーターで決めている。フィールドゴール10本中7本、3ポイントシュートは6本中4本を成功させ、自身3度目のクォーター20得点以上を記録。ラウリーの活躍により、チームは第4クォーターの得点で47-21とマーベリックスを大きく上回った。

試合後、ヘッドコーチやチームメートはラウリーへの称賛を惜しまなかった。指揮官のニック・ナースはラウリーのパフォーマンスについて「今まで見たことがない」とし、攻撃をすべて一人でやってのけたと話した。

また、自身もキャリアハイの21得点を挙げたクリス・ブーシェイは「今シーズン、ラウリーはいろいろな人から批判されているけど、チームは彼を信頼している。彼がチームを引っ張ってくれることは分かっているんだ」

一方、ラウリー本人は奇跡の逆転はチームの努力の結果であることを強調する。「今日勝てたのはマルコム・ミラー、テレンス・デイビス、ロンデイ・ホリス ジェファーソン、そしてブーシェイのおかげだよ。彼らが勝利の立役者さ。それはきちんと評価されるべきだよ」

勝利の瞬間、会場のアナウンサーは「クリスマスの奇跡だ!」と叫んだ。この「奇跡」をきっかけに、昨シーズンの「奇跡」を再び起こすことができるのか、注目していきたい。