川崎ブレイブサンダース

拮抗するも地力で勝る川崎が貫録の勝利

名古屋ダイヤモンドドルフィンズvs川崎ブレイブサンダースの第2戦。強度の高いディフェンスを軸に終始ペースを握った川崎が15本の3ポイントシュートを高確率(48.4%)で沈め、97-78で勝利した。

開始直後、セットプレーから辻直人が3ポイントシュートを沈めた川崎は篠山竜青、ジョーダン・ヒースも3ポイントシュートを沈め主導権を握る。ジャスティン・バーレルにインサイドを破られ1ポゼッション差に迫られるが、途中出場の藤井祐眞がそのバーレルからターンオーバーを誘い、3ポイントシュートを成功させ、流れを渡さなかった。

さらに藤井は再び3ポイントシュートを沈め、決定的なパスを送り3アシストを挙げる活躍を見せ、26-16といきなり2桁のリードを奪う原動力となった。

第2クォーターに入ると、笹山貴哉に3ポイントシュートを許し、さらにスティールからワンマン速攻を決められ3点差に迫られる場面もあったが、川崎はディフェンスを締め直し、3ポイント攻勢でリードを広げていく。

1番から5番まですべての選手が3ポイントシュートを打てる川崎はインサイドアウト、ピック&ポップとさまざまな形から長距離砲を沈めていく。残り2分40秒、長谷川技の3ポイントシュートが決まり16点のリードを奪ったが、その直後川崎にアクシデントが起こる。

マティアス・カルファニがダブルチームにいった際に膝を強打。カルファニは苦痛に顔をゆがめ、膝を抱えてその場に倒れこみ、その後コートに戻ることはなかった。チームファーストかつ、攻守両面で効果的な働きをするカルファニを欠いたことでディフェンスに綻びが生じ、安藤周人に連続で3ポイントシュートを許し、セーフティリードはなくなっていった。

川崎ブレイブサンダース

勝負どころの3本連続長距離砲で勝負アリ

後半に入り、拮抗した展開が続いたが、今度は名古屋Dにアクシデントが起こる。残り6分21秒、トップからドライブを仕掛けたバーレルがヘルプポジションに入った篠山と激突。篠山のヒジのあたりが顔面に入り、ベンチへ退いた。そして、バーレルもコートに戻ってくることはなかった。

大黒柱を失った名古屋Dだったが、ここからチーム一丸の粘りのバスケを展開する。ヒルトン・アームストロングを中心とした堅いディフェンスでシュート精度を狂わせると、安藤の連続3ポイントシュートや木下誠の速攻でジワジワと点差を縮める。残り25秒にはヒルトンのゴール下が決まり、6点差まで詰め寄った。

だが、ラストポゼッションで川崎は藤井のアタックから熊谷尚也が3ポイントシュートを沈め、最高の形で最終クォーターを迎えた。

ともに連続得点を奪い合い、2桁前後の得点差で推移していったが、川崎はニック・ファジーカスのインサイドを強調し、ペイントエリアで得点を重ねた。そして、ディフェンスの意識がインサイドに向いたところで辻、藤井、篠山が連続で3ポイントシュートを沈めた。ヒースの速攻で点差を20に乗せた川崎が勝負どころで一気に突き放し、連勝を飾った。

川崎ブレイブサンダース

藤井「アグレッシブさやエナジーは全力で出していく」

勝利した川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは「昨日はちょっとオフェンスの方にエナジーが足りなかったのでオフェンス、ディフェンスともに相手より先に準備をして相手より高いエナジーで戦いましょうという話をしました。結果97点取れたので、非常に良いバスケットができたと思います」と試合を総括した。

藤井は24分間の出場で16得点9アシスト3スティールと攻守でハイパフォーマンスを見せた。「交代で出る時が多いですが、ディフェンスでハードにやることを意識して、オフェンスも思い切ってシュートを打てるタイミングで打っていこうという意識でいます。試合の流れを見ながら、アグレッシブさやエナジーの部分は全力で出していくというのは意識してやっています」とのコメント通り、エナジー全開のプレーでチームを勝利に導いた。

名古屋Dも安藤が13本中8本の3ポイントシュートを沈めるなど、シュート精度は決して悪くなかったが、22本のフリースローを与えたことがボディーブローのように効いた。

これで川崎は連勝を12に伸ばした。カルファニの状態が心配ではあるが、誰が出ても攻守のレベルが落ちない今の川崎であれば、大きく崩れることはないはずだ。

12月22日のB1 8試合の結果
富山78-57秋田
大阪98-94SR渋谷
滋賀72-67新潟
三河81-66北海道
琉球97-76京都
宇都宮86-61三遠
千葉111-74横浜
名古屋D78-97川崎