シドニー五輪のビンス・カーターを彷彿させる衝撃
12月20日にロケット・モーゲージ・フィールドハウスで行なわれたグリズリーズvsキャバリアーズの一戦は、東西カンファレンスの13位に低迷する2チームの対戦で、話題性の乏しい試合だった。しかしグリズリーズのルーキー、ジャ・モラントが脅威の身体能力を発揮。その『犠牲者』となったベテランのケビン・ラブは、新人の能力に脱帽した。
モラントは、第1クォーター残り6分47秒にドライブからのワンハンドダンクをトライ。ペイント内で待ち構えていたラブの頭上を超えるプレーに、会場のファンはどよめいた。
実戦での『人間超えダンク』といえば、2000年のシドニー・オリンピックでビンス・カーターが見せた『歴史的ダンク』が思い出される。アメリカ代表だったカーターはフランスとの試合で、218センチの巨漢フレデリック・ワイス越しにダンクを叩きつけた。
結果的に失敗に終わったものの、このシーンに近いプレーをNBAの公式戦でトライしたモラントについてラブは試合後に笑顔でコメントした。
「少し足が引っかかったけど、彼はまさに自分を飛び超えたよ。でもダンクを外してくれて助かったけどね。倒れた彼に手を貸したけれど、脱帽させられた。特別な才能の持ち主だし、これからも成長し続けられるよ」
中には先輩への敬意を欠く行為と怒るベテランもいる中、ラブは試合後にTwitterでも「ジャ・モラントのこのダンクで自分のプロキャリアもおしまい。彼は特別な選手」と冗談を交えて称え、度量の大きさを見せた。
失敗に終わったとはいえ、モラントにとってもキャリアハイライトの一つに数えられる瞬間が生まれた。
Ja almost ended my professional career with this dunk…that kid is something special ?????? https://t.co/5SxCItAMba
— Kevin Love (@kevinlove) December 21, 2019