ジョー・レイコブ、ウォリアーズのオーナーとなってからの激動の10年間を振り返る

ジョー・レイコブ、ウォリアーズのオーナーとなってからの激動の10年間を振り返る

2019/12/20

ジョー・レイコブ

フロント、現場、環境の強化が成功を呼び込む

ジョー・レイコブはウォリアーズのオーナーとして2010年から球団運営にかかわってきた。他の出資者とともに4億5000万ドル(約490億円)で球団を買収してからわずか10年で、チームは5年連続でNBAファイナルへ進出、チャンピオンに3度輝いた。

ウォリアーズは現在のスポーツ界で最も人気のある球団の一つであり、チームのプレースタイルはバスケットボールにイノベーションを起こしたと評価されている。球団の資産価値は40億ドル(約4400億円)とも言われる。

オーナーとしてチームの抜本的な改革に成功したレイコブは、この10年間で最も重要だった出来事や戦略的決断を自らリスト化しており、それが『The Athletic』で発表された。リストからは、レイコブがチームのフロント、現場、環境の3つを強化してきたことがうかがえる。

まずはフロントの強化として、息子のカーク・レイコブを球団運営ディレクターに任命。ステフィン・カリーを軸にしたチーム作りを最初に推進したのは彼であり、のちにGM補佐に昇進して、ドラフトで手腕を発揮している。

現GMのボブ・マイヤーズは元代理人で、GM業は未経験だったが、選手の扱いと他球団との交渉のプロであり、メディア対応でもその手腕を発揮している。レイコブは子供の頃からあこがれたジェリー・ウエストには2017年まで球団理事と相談役を務めてもらい、球団の運営に関して率直な意見をもらっていたという。

次は現場の強化。2014年に2シーズン連続でチームをプレーオフに導いたヘッドコーチ、マーク・ジャクソンを解任し、スティーブ・カーを後任に指名。難しい決断だったが、非常に大きなことだったとレイコブは振り返る。「スティーブ・カーはチームの未来にとってパーフェクトな人材だった。バスケットボールを知り尽くし、対人関係の天才でもある。人格も素晴らしい」

選手の補強に関してレイコブが挙げたのが、クレイ・トンプソンとドレイモンド・グリーンのドラフト指名、ケビン・デュラントとの契約、そしてステフィン・カリーとのスーパーマックス契約の締結だ。2017年6月にNBA最高額の5年2億100万ドル(約220億円)でカリーと契約に合意しているが、レイコブにとってより重要なのは2012年に4年4400万ドル(約480億円)でカリーと契約できたことだという。カリーには足首のケガがあり契約にはリスクがあったが、レイコブは賭けに出た。カリーのケガが完治しなかったら、このチームは全く違ったものになっていただろう。

最後は環境面の強化だ。レイコブはチームの新しいアリーナであるチェイス・センターを、公的資金の助けを借りることなく建設し、本拠地をオークランドからサンフランシスコへ移した。また球団はレイコブの妻が理事長を務める「ウォリアーズ・コミュニティ・ファウンデーション」を設立、これまで1200万ドル(約13億円)を教育のために寄付している。

レイコブのリストには、この10年で40年間優勝がなかったチームが3度チャンピオン輝き、世界中のファンから愛されるようになった道のりが簡潔に描かれている。今シーズンの成績こそ振るわないが、ウォリアーズにはまだ伸びしろが残されている。この先の10年でウォリアーズがどんな球団になっていくのか、興味が尽きない。

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