文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

『堅守速攻』で逆転した北海道

Bリーグ第2節、レバンガ北海道はホーム開幕戦に横浜ビー・コルセアーズを迎えた。北海きたえーるは5687人のブースターが集まり超満員となった。

細谷将司の速攻、ジェイソン・ウォッシュバーンのインサイドによって8-17と先行された北海道だが、徐々にディフェンスの強度を高め反撃に転じる。1つのボールに3選手がダイブするなど、ボールへの執念を見せた。中でもエースキラーの異名を持つ関野剛平が、激しいボールプレッシャーとボールの行方を先読みしたディフェンスで3本のスティールに成功。それを速攻で得点につなげ、20-21と猛追した。

第2クォーターに入り、前節は2試合で6得点と調子の上がらなかった折茂武彦が、今シーズン初の3ポイントシュートを沈めて同点に。そこからグレゴリー・ウィッティントンの連続3ポイントシュートが決まり、横浜はたまらずタイムアウトを取った。

横浜はオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントでシュート確率の悪さをカバーしていたが、221cmのハシーム・サビートが前半で個人ファウル3つとなり苦しい展開に。一方、北海道はパスカットから速攻という最高の終わり方で前半を締め、44-37とリードを広げた。

後半に入り、北海道の堅守がさらに破壊力を増す。ボールマンへプレッシャーをかけ簡単にパス回しをさせず、タフショットを誘発。さらに前半に苦労したディフェンスリバウンドを確実にモノにし、セカンドチャンスを与えず速攻を繰り出した。特に際立ったのは新外国籍選手のマーク・トラソリーニ。技巧派センターのトラソリーニは速攻や流れの中から得点を量産し、このクォーター7分弱の出場で13得点。攻守が噛み合った北海道が横浜の得点をわずか8点に抑え、リードを広げた。

流れを呼び込んだ折茂の3ポイントシュート

ただし、簡単に勝てたわけではない。17点リードで最終クォーターを迎えた北海道だが、川村卓也に連続で3ポイントシュートを許すなど追い上げを許し、残り2分12秒で1桁差に迫られた。それでもこの勝負どころで素早いトランジションから折茂が値千金の3ポイントシュートを成功させ、横浜の追撃ムードを断ち切る。ラスト2分間を無失点で切り抜け、最終スコア86-67で勝利した。

北海道の水野宏太ヘッドコーチは「試合の終盤に自分がテクニカルファウルを取られ、チームのみんなに迷惑をかけてしまった。そこで気持ちを切り替えてみんながやってくれたことが一番の勝因」とコメント。水野ヘッドコーチは残り4分14秒に笛が鳴らないことに抗議し、テクニカルファウルをコールされていた。苦しい時間帯にフリースローを与え、相手に流れが行ってしまう場面だったが、選手たちは最後まで集中力を切らさず、指揮官の尻拭いをした。「熱くプレーすることは変えずに、冷静にプレーして明日も勝ちに行きます」と連勝を誓った。

また北海道は終盤の大事な場面で、伊藤大司のゲームコントロールが冴え渡った。前節の富山グラウジーズ戦の逆転勝利の時と同様に、経験豊富な伊藤のゲームコントロールがチームを救ったとも言える。

一方の横浜は単発なシュートが増え淡泊な攻撃となり、オフェンスが停滞した場面でチームを落ち着かせることができなかった。川村が23得点と一人気を吐いたが、チームの勝利にはつながらず。我慢の時間帯でのパフォーマンスが明日の第2戦の鍵を握る。