デリック・ローズ

残り1分、2点ビハインドからの連続クラッチシュート

デリック・ローズが、またもNBA屈指の勝負強さを発揮し、ピストンズに勝利をもたらした。

ペリカンズとの一戦は追いつ追われつのシーソーゲーム。後半にピストンズが一度は2桁のリードを奪うも、終盤になってこの試合31得点を奪ったブランドン・イングラムを中心としたペリカンズが猛追。第4クォーター残り1分11秒にイングラムが密着マークするブルース・ブラウンを軽やかなステップで振り切ってのジャンプシュートを決めて、ペリカンズが103-101と勝ち越した。

しかし、ラスト1分はローズの時間だった。後方からゆっくりとドリブルで進んだローズは、ハーフスピードのターンをしながら右手から左手へとボールを持ち替えることでブロックショットをかわす技アリの得点を決めて、同点とする。

続くペリカンズの攻めはもちろんイングラム。それでもチームディフェンスでアタックまでに時間をかけさせ、ブレイク・グリフィンがしっかりと身体を寄せてタフショットを打たせた。

残り14.7秒からピストンズの攻め。こちらももちろんローズにボールを託し、アイソレーションを仕掛けさせる。ペリカンズはチームNo.1のペリメーターディフェンスを誇るジュルー・ホリデーをマークに付けた。時間はなかったがローズは自分の間合いを保ち、今回はトップスピードでアタックし、ホリデーに並びかけたところでスピンムーブ。守備に定評のあるホリデーを完全に引きはがし、フリースローラインから一歩踏み込んだ位置から自信を持って放ったジャンプシュートを見事に決めた。

平然とした表情で引き上げるローズは、チームメートに取り囲まれるとようやく笑顔を見せ、クラッチプレーを噛み締めるように小さなガッツポーズを繰り返した。この得点によりピストンズは105-103で勝利している。

『ラストショット』をローズはこう振り返る。「ああいうプレーをみんな僕に望むけど、なにも常に成功しているわけじゃない。僕はミスから学んでいるんだ。その日、その週、その月ずっとかもしれないけど、悪いシュートが続いたとしても打ち続ける。自分のプレーをやろうとトライするしかないんだ」

ベンチスタートでオフェンスにアクセントを加える役割に徹しているローズだが、この試合では今シーズン最長となる28分間プレーして、最後の瞬間までキレは失わなかった。21得点7アシストという数字以上に、勝負を決定づけるクラッチタイムでのパフォーマンスが光る。

「このことは話さないし、自慢もしないが、僕にはまだ目指すべきゴールがある」とローズは語る。「選手として、また人としての自分が今どこにいるのかは分かっているつもりだし、僕は自分自身を信じている。僕は自分を信じてくれるチームに行き、プレーするんだ」

ピストンズはこれで2試合連続で接戦をモノにしている。3日前のペイサーズ戦も、ラスト1分を切って同点だったところから、ローズを中心に3連続得点を挙げて競り勝った。

ピストンズ指揮官のドウェイン・ケーシーは「我々は良いバスケットをしているわけじゃない。スマートにプレーできているとは言い難いし、良いシュートも打てていない。だが、選手たちは個性を発揮して、力を合わせて勝利をもぎ取ってくる」と苦笑い。ただ、ローズの活躍にはただただ称賛の言葉を贈る。「彼はMVPだった。今ウチにいるのは若い頃の、MVPを取った彼じゃないかもしれないが、MVPのメンタリティを持ち続けている」

クラッチシュートに頼るのでは好調は長続きしないかもしれないが、これを機にチームがまとまり、本当の力を備えることもある。ここからピストンズが上向くのか失速するのか、ローズの今後の活躍と合わせて注目したい。