後任の有力候補はカンザス大を率いるビル・セルフ
2019-20シーズン序盤のスパーズの成績は期待外れと言わざるを得ない。現在9勝14敗と大きく負け越しており、西カンファレンスの下位に甘んじている。チームが低迷する中、ヘッドコーチの名将グレッグ・ポポビッチの去就についても注目が集まっている。
ポポビッチは1996-97シーズン途中にスパーズのヘッドコーチに就任し、翌年から2018-19シーズンまで22年連続でチームをプレーオフへと導いてきた。その間、スパーズはNBAチャンピオンに5回輝き、ポポビッチもコーチオブ・ザ・イヤーを3度受賞している。スパーズをここ20年でリーグ屈指のエリートチームに育て上げたのは紛れもなくポポビッチであり、スパーズの顔と言えばポポビッチなのだ。
だが、70歳という年齢と、NBAチームのヘッドコーチがいかに激務かを考えると、いつ身を引いてもおかしくはない。今年4月に3年間の契約延長にサインしたポポビッチだが、彼は1年ごとに自分の契約を見直すスタンスを取っており、現時点で来シーズン以降の去就についてなんの意思表示もしていない。スパーズとしては、ポポビッチに最大限のリスペクトを示しつつも、『その時』に備えて後継者を探しているに違いない。
『The Athletic』はポポビッチの後任について「リーグ関係者から常に名前が挙がるのは、カンザス大で長年ヘッドコーチを務め、バフォードGMとも親交のあるビル・セルフが有力」と報じている。セルフのカンザス大での実績は文句のつけようがない。17シーズンで480勝107敗、NCAAトーナメントのファイナル4(ベスト4)に3度進出、2007-08には優勝している。
もっとも、ポポビッチがチームから契約解除されるとは考えにくい。セルフとスパーズの未来はポポビッチの決断によって変化する。チームに残り再建の道を選ぶのか、それともNBAの現場を離れて代表ヘッドコーチに専念するのか、ポポビッチの決断の日はそう遠くはないようだ。