文=泉誠一 写真=B.LEAGUE

開幕戦平均集客数は1年前と比べて20%減

「明けましておめでとうございます」。会場ではそんな挨拶が交わされながら、Bリーグの新シーズンがスタートした。フジテレビが地上波放送し、国内初のLEDコートが話題を呼んだ昨シーズンに比べると、2年目は静かに始まった印象を受ける。前年開幕節の平均集客数と比較すると、20%ダウンしていた。

2016-17開幕節:4167人 → 2017-18開幕節:3353人

平均すると減少したが、栃木ブレックスは4111人の最多入場者数を記録している。また、「昨シーズンは開幕節に代々木第一体育館を使用した」などの言い訳もできるだろう。オープニングだけはリーグ主催による大きなイベント型を、もう数シーズン続けても良いのではないかという意見も聞こえてきた。だが、来シーズンからはB1クラブに対して「5000席以上の観客席を有する」ことが『Bリーグホームアリーナ検査要項』にすでに明記されている。代々木第一体育館や今シーズンのファイナルで使用する横浜アリーナが特別なのではなく、各クラブが平均入場者数を倍増できるアリーナの確保へ向け、本腰を入れる時期に来ている。

試合の方は接戦が続き、以下のように半分以上が一桁点差と拮抗していた。

(0.5点差)栃木ブレックス 74-74.5 シーホース三河
(0.5点差)川崎ブレイブサンダース 81.5-81 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
(1.5点差)富山グラウジーズ 83-81.5 レバンガ北海道
(3.5点差)琉球ゴールデンキングス 59.5-63 サンロッカーズ渋谷
(7点差)横浜ビー・コルセアーズ 66-59 滋賀レイクスターズ
(10点差)京都ハンナリーズ 72.5-62.5 三遠ネオフェニックス
(12点差)大阪エヴェッサ 62.5-74.5 アルバルク東京
(18.5点差)西宮ストークス 71-89.5 千葉ジェッツ
(19.5点差)新潟アルビレックスBB 84.5-65 島根スサノオマジック

この点数は開幕2日間の平均得点であり、初戦に快勝したクラブが翌日は逆に大敗を喫するゲームが目立った。その結果、10クラブが1勝1敗で開幕戦を終えている。唯一、延長戦を演じた川崎の北卓也ヘッドコーチは、「補強や移籍などがあり、力のある外国籍選手が来ているのでそう簡単に2連勝はできない。やはり上位を狙うためにも連敗は避けなければならず、最悪1勝1敗。連勝できるように、または連敗しないように準備し、そういった駆け引きが必要になる戦いが今シーズンは増える」と持論を説いた。

たくさん得点が入ることがバスケットの優位点

当然ながら、昨シーズンの開幕節からチャンピオンシップにかけてスタッツは上向いている。負けられないチャンピオンシップはディフェンシブな戦いとなるのだが、平均点は5.5点もアップした。ターンオーバーが減り、シュート確率も目覚ましく改善され、プロらしいバスケットで盛り上げてくれた。

それでは、2016-17の開幕節とチャンピオンシップの平均スタッツの変化を見てみよう。

 得点:72.5点→78.0点
 3Pシュート:31.3%→31.4%
 2Pシュート:47.6%→51.2%
 フリースロー:71.6%→72.5%
 ターンオーバー:13.4本→9.4本

チャンピオンシップで見られたレベルが基準値になり、2年目の開幕戦も同様な数字は得られるだろうと期待しながらポチポチと集計してみる。結果は以下の通りだ。

 得点:72.5点
 3Pシュート:32.5%
 2Pシュート:46.5%
 フリースロー:70.3%
 ターンオーバー:12.7本

得点や2点シュートの成功率が下がったのは、ディフェンスに力を入れているから。この結果をそのようにポジティブに見ることもできる。だが、他の競技よりも得点が入るのがバスケットの魅力でもある。そこは大きなメリットとして、追求していかねばならない。たまたま隣で見ていたBリーグ関係者も、フリーのジャンプシュートが入らない点を嘆いていた。

平均72.5点は、同じアリーナスポーツのバレーボールよりも少ない。昨シーズンの男子V・プレミアリーグのレギュラーラウンドにおいて、試合が決着したのは平均3.8セットだった。その開幕戦での平均得点は85.5点とBリーグよりも多く、歓声が沸いたことになる。

プロとしてノーマークはもちろん、確率良くシュートを決められるようになれば、自ずと平均点は上がってくる。また、今シーズンは多くのクラブがトランジションバスケットに力を入れており、攻撃回数が増えることで平均的に得点が向上すると期待している。まだまだ始まったばかりだが、開幕戦こそ新しいファンの心をガッチリと掴む大事なゲームである。今週末もホーム開幕戦を迎えるクラブは多くある。まずは平均点を上げていこう。