ケビン・ラブ

ジョン・ベイレインの指導法にベテランから不満?

キャバリアーズに残る最後のスター、ケビン・ラブがチームを去る日は近いのかもしれない。

ほんの数年前まで、NBAファイナルはウォリアーズとキャバリアーズの顔合わせが定番だった。しかし現在、ウォリアーズは5勝19敗で西カンファレンスの最下位、キャブズは5勝17敗で東カンファレンスの14位と沈んでいる。

ウォリアーズはケガ人続出という事情があり、今シーズン終盤になれば、いや来シーズンになればスプラッシュ・ブラザーズが復活し、チームも本来の強さを取り戻すという望みがある。しかしキャブズはレブロン・ジェームズが去った後にチーム再建期に入った。

スタメンにはコリン・セクストン、ダリアス・ガーランド、ジェディ・オスマンと若手が名を連ね、今シーズンから指揮を執るヘッドコーチのジョン・ベイレインの下で新しいチームを構築している。だが、その道のりは必ずしも順調とは言えない。今シーズンここまで5勝17敗、直近の13試合で12試合を落としている。

『The Athletic』は、ベテランを含む選手の一部がベイレインに不満を抱いていると報じた。ミシガン大を12年間率いたベイレインのカレッジ流の指導方法は、NBAでの経験豊富な選手にとっては受け入れがたいものらしい。基礎にうるさく、長時間のフィルムセッションで同じことを何度も繰り返し、NBAのゲームや対戦相手についての知識に乏しいというのだ。勝てなければなおさら、この手の不協和音は大きくなるし、チームの外にも漏れ伝わることになる。

キャブズとしては、結果が出ないとしても後戻りはできない。選択肢は、チーム再編をこの調子で続けるか、さらに推し進めるか。そうなると、ラブのトレードの可能性を探ることになる。

2014年にトレードでティンバーウルブズから移籍して来たラブは、2018年にキャブズと4年1億2000万ドル(約130億円)の契約延長にサインし、契約は2022-23シーズンまで残っている。もともとキャブズ首脳陣は、若手を引っ張るリーダーとして、キャブズでタイトル争いを演じてきた経験を持つラブに大きな期待を寄せ、トレードはしないと繰り返し明言してきた。

しかし、チームがさらなる若返りを進めるには、ラブをトレード要員として若い有望選手やドラフトの上位指名権を得るのが一番手っ取り早い。ラブ自身も、昨シーズンに浮上の気配を感じさせず、今シーズンも行き詰ったチーム状況を好ましく思っていないかもしれないし、今後のキャリアを考える必要もある。

来年2月6日のデッドラインまでに双方にとってメリットのあるトレードが成立するかどうか、今後の進展に注目したい。