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強力ツインタワーを操る熟練のゲームメークに期待

昨シーズン、オールスターゲームの当日に発表されたトレードにより、ペリカンズにアンソニー・デイビスとデマーカス・カズンズという超強力なツインタワーが誕生した。後半戦の巻き返しが期待されたが、シーズン中の移籍後にケミストリーを構築する難しさに直面し、プレーオフに進出できなかった。

それだけに、スタートからこのツインタワーありきのチームを作る今シーズンは大きな飛躍が求められる。この夏にペリカンズと契約したラジョン・ロンドは、彼の役割であるゲームメークはデイビスとカズンズの存在により楽になると考えている。

『Times-Picayune』の取材に応じたロンドは「こんなことを言うのは早いかもしれないけど、ダイナミックなデュオと一緒にプレーすることで、僕の仕事は今までで最も楽になるだろう」と語った。「ドリュー(ホリデー)も1試合40得点を決められる選手だから、もっと楽になるよ。俺の仕事は、正しいスポットにパスを出すだけ。アンセルフィッシュなプレーができるかどうかは、彼ら次第だ」

昨シーズンまでのペリカンズには、タレントが揃っていても、その選手の力を繋いで一つの線を描ける正統派ポイントガードが欠けていた。その点、ロンドはパス優先の選手で、オフェンスの舵取り役としてはNBAトップレベルの選手だ。昨シーズンは100ポゼッションでの平均得点でNBA26位となる105.2点しか決められなかったペリカンズのオフェンスが、ロンドの加入により大躍進を遂げる可能性はある。

ロンドは、昨シーズン後半のツインタワー体制を「カウントしない」と言う。「2人は数カ月一緒にプレーしただけ。一緒にやったと言われたってカウントできないよ。彼ら2人は、NBAでベストなビッグマンのデュオになれるだけの才能を持っている。高い期待かもしれないけれど、それだけの能力の持ち主だから」

ただ、ロンドの加入は諸刃の剣でもある。彼自身がヘッドコーチと衝突を繰り返し、チームを崩壊に追いやってきた過去を持つからだ。もしロンドがこれまでと同様に、ヘッドコーチのアルビン・ジェントリーと衝突すれば、せっかくのケミストリーも台無しになってしまう。ロンドはアンセルフィッシュなプレーができるかどうかを『ツインタワー次第』と言うが、ロンド自身がジェントリーのシステムを信じ、我を通さずに遂行できるかどうか。自分が背中でチームを引っ張っていく、それぐらいの気概をロンドが見せられるかどうかが、今シーズンのペリカンズの成否にかかわる重要な要素になる。