琉球ゴールデンキングス移籍で『戦力』としての充実感を取り戻した二ノ宮康平「素直に試合に出られる喜びを感じている」

2017/10/01
Bリーグ&国内
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文・写真=鈴木栄一

重要な局面で起用される『信頼』に結果で応える

9月30日、琉球ゴールデンキングスはサンロッカーズ渋谷に65-53で勝利。大敗を喫した開幕戦のショッキングな黒星を乗り越え、今シーズン初白星を挙げた。そしてこの日、勝利の立役者となったのが司令塔の二ノ宮康平だ。点差を縮められ苦しい展開となっていた第4クォーター中盤、リードを再び2桁へと広げる一撃など、3ポイントシュート5本中3本を含む11得点をマーク。ファウル4つの状況でありながら第4クォーター最初からコートに送り出されており、先発ポイントガードの岸本隆一より約7分長いプレータイムもあわせ、この試合では二ノ宮が要所でチームをリードする存在となった。

琉球といえば今オフに古川孝敏、アイラ・ブラウン、ヒルトン・アームストロング、須田侑太郎など昨シーズンのBリーグで大きなインパクトを残した即戦力を相次いで獲得し、チームを一新された。二ノ宮もこの新加入選手の一人だが、前所属のアルバルク東京ではここ数年プレータイムに恵まれずにクスブっていた。

しかし、琉球では持ち味である球離れのよい堅実なゲームメークと非凡な外角シュートで、プレシーズンからローテーションの一員として安定した出場機会を確保。昨シーズンはシーズン全体で37だった得点が、今シーズンはアーリーカップ、この開幕2連戦の計4試合ですでに37。こうして大きく注目された新加入と同等のインパクトをチームに与えている。

「今日はたまたまシュートが入っただけ」

「昨日はふがいない試合を見せてしまったので、今日勝ててホッとしています。昨日は要所要所で相手に良いプレーをさせてしまいました。今日はディフェンスではプレッシャーを強め、オフェンスでは全員がボールをさわることで、良い流れになるようにと意識してプレーしました」と二ノ宮は語る。

だが一方で、自身のプレーについては満足していない。「まだチームメートを生かしきれていないです。のびのびプレーできていない選手が多く、これから時間をかけて改善していきたいです。今日はたまたまシュートが入っただけであり、ポイントガードとしてはそんな良くなかったです」

とはいえ、こうして試合に出て自身のプレー内容を反省できるのは、昨シーズンにはなかったこと。試合に出られることへの純粋な充実感は間違いなくある。「役割が今までとは全然違います。前は誰かがダメだったら、最後に試合に出られるかどうかみたいな感じでしたが、今回は最初から出ると決まっている。役割もはっきりしているので気持ちの作り方は違います」

「今は楽しくて仕方ないです。今日、結果的に最後までコートに立てたのは自信になります。実際、チームとしても個人としてもまだまだですが、素直に試合に出られる喜びを感じているところはあります」

「今は自信を取り戻している最中で、これからです」

京北高校、慶應大学ではともにチームの中心選手として見事な成績を残し、トヨタ自動車(現・A東京)に入団。まさにバスケのエリート街道のド真ん中を歩んできた二ノ宮であるが、トヨタ加入後はいつ試合に出られるか分からない、そんな厳しい時代が続いた。

そんな中、「キングスが前向きに強くなろうという動きがあり、いろいろな選手を入れ替える中、オファーをいただいたので僕自身も前向きに考えて決めました」と琉球への移籍を決断。今年で29歳とベテランの域に入りつつある中、チャンスを与えられればトップレベルで活躍できる力を持っていることをしっかりと証明している。

ただ、本人にとって今は、まだ復活の途中でしかない。「(試合に出られていない時でも)やれる自信はありましたが、やはり心の片隅にはちょっと自信のなさがあり、ゲーム勘がないと感じている部分もありました。それが今は思い切ってやれています。ただ、今は自信を取り戻している最中で、まだ遠慮したり躊躇したりする場面もあるのでこれからです」

「チームとしても個人としても成長段階、これからいろいろな経験をして成長していける一日一を大事にしていきたい」。このようにいよいよ始まったシーズンに向けての意気込みを語ってくれた二ノ宮は、これから琉球においてどんどん存在感を高めていくはずだ。