八村塁

8ブロックを浴び、高さの前に屈す

ウィザーズが現在リーグ最高勝率を誇るレイカーズと対戦した。レブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスを止められない一方で、エースのブラッドリー・ビールが封じ込まれたウィザーズは103-125と完敗を喫した。

それでも、序盤にペースをつかんだのはウィザーズだった。それを牽引したのは八村塁だ。試合開始直後、コーナーでパスを受けた八村はレブロンを前にステップバックのミドルシュートを沈めて先制点を決める。さらに、ボールをプッシュしそのまま速攻を決め、ビールのスティールからの速攻のフィニッシャーとなった。

トランジションが機能したウィザーズは八村の8得点の活躍もあり、開始3分半で15-4と最高のスタートを切った。

だが、ウィザーズはここから失速する。デイビスやジャベール・マギーらリムプロテクターの圧力に屈してインサイドを攻められず、オフェンスが停滞していった。八村もゴール下でパスを受け、ポンプフェイクでかわそうとするが、マギーにブロックされた。また、デイビスにもシュートブロックを浴びるなど、高さに苦戦した。

八村は常にデイビスかレブロンとマッチアップするタフな状況だったが、その万能性を生かし、決して1対1ではやられなかった。それでも、チームはズレを作られ何度もアリウープを食らい、オフェンスリバウンドからの失点を重ねた。

特にデイビスの個を止められず、ディフェンスが崩壊したウィザーズは3ポイントシュートを高確率で射抜かれ、23-37と一気に逆転され、その後はレイカーズの一方的なペースとなった。

ウィザーズはブロックショットから何度も走られたことで、インサイドにアタックできなくなり攻め手を欠いた。頼みのビールも沈黙し、アウトサイドシュートの精度も上がらない。後半に入っても流れは変わらず、デイビスに3点プレーとなるバスケット・カウントを決められ、ビハインドは早くも30の大台に。

すでに試合の趨勢は決まっていたが、八村は集中力を切らさず、自分のできることをやり続けた。そして、スクリーンからフリーでミドルシュートを沈め、味方の合わせからレイアップを決めるなど、8連続得点を挙げて一矢報いた。

それでも、勝敗を覆すほどのインパクトにはならず、第4クォーターは全休。ウィザーズは最終スコア103-125の完敗を喫した。

八村は26分間の出場で16得点8リバウンド1アシスト1スティールを記録。チームで8ブロックを喫したように、リムプロテクターが待つインサイドでいかに得点できるかが今後のカギとなりそうだ。それでも、レブロンやデイビスといったNBAトップ選手と長い時間マッチアップした経験が何よりも収穫だろう。