アシスタントコーチが首脳陣とカーの信頼関係を明かす
ここ5年連続NBAファイナル進出、優勝3回、NBA年間最多勝利記録更新など、ウォリアーズは王朝時代を築いた。しかし今シーズンは主力の負傷が相次ぎ、リーグ最下位に沈んでいる。正当な理由があっても、NBAでは成績不振を理由にヘッドコーチが解任されるケースは少なくない。だがウォリアーズの首脳陣は、指揮官スティーブ・カーをサポートする姿勢を崩していない。
それは、アシスタントコーチのマイク・ブラウンが目にした光景からも明らかだった。
ブラウンは、『The Athletic』記者が司会を務めるポッドキャスト番組に出演した際、「この話をすると私がクビになるかもしれない」と笑いながら、先日のソルトレイクシティーでの遠征中に体験したエピソードを語り始めた。
「ダラスで48点差での大敗を喫した後、ユタに遠征してチームで夕食をともにした時のことだ。私は到着が遅れて着いた時には、スティーブはボブ・マイヤーズ(GM)とジョー・レイコブ(オーナー)と同じ席で会話をしながら食事を楽しんでいた」
「私は会話には入らなかったが、次の日の朝、ボブにこう言ったんだ。『昨晩レストランで君とスティーブ、それからジョーが良い時間を過ごしているところを見かけた。お互いに話して、お互いを支え合っている姿を目にして、感動した』とね」
「彼は不思議そうな顔だったが、私はスティーブがクビになる可能性はゼロだと思ったよ。球団のオーナーとGMが時間を取って、飛行機で遠征先のソルトレイクシティーまで来て、ヘッドコーチと夕食をともにし、支持していることを伝えるなんて、スティーブがそれだけ素晴らしい仕事をしている証拠だ。彼らはソルトレイクシティーに泊まって、次の日に試合を見てから帰った」
「これはとても素晴らしいことだと思う。彼ら3人だけの話ではなくて、これはチーム全体を表す話。我々は、それだけ一体感があるチームで、そのコネクションは球団のトップであるジョー、ボブ、スティーブから生まれている。たとえ意見が合わないことがあっても、リーダーたちの良好な関係性が見て取れるよ」
「負けが続いて辛い時期を経験していても、そういう関係性に助けられる。寛大な心に救われる。計り知れないことだよ。彼らはスポーツ界のベスト・トリオだと思うね」
たとえこれからも厳しい結果が続いたとしても、ウォリアーズはオーナーからスタッフ、選手まで一枚岩となって、新チームを作り上げていく。