昨シーズンの成功体験で『余裕』をまとった富樫勇樹、千葉ジェッツを引っ張り「責任を持って勝たせられるように」

2017/09/28
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

実戦でのテストを重ね、開幕に向けて手応え十分

先日、マカオで行われた『THE SUPER8』で千葉ジェッツは優勝した。リーグ戦開幕の1週間前、5日間で5試合というタフなスケジュールで、まずはケガをしないことが肝心、その上で個人としてもチームとしてもパフォーマンスを高めることが求められる中で、勝利という結果まできっちりと出し、開幕に向けた準備は万端と言える。

富樫勇樹も「5連戦というタフなスケジュールだったんですけど、結果的に優勝できたということで、休み以上のモノを得たというか、シーズンに向けて良い準備ができています」と語る。アーリーカップに続きこの大会があり、この9月は実戦での調整が続いた。反面、チームでの練習時間が十分に取れなくなるが、「個人的には試合で起きていることを話し合うことが一番」と、富樫は試合を重ねながらの調整を歓迎している。

「試合とチーム内の紅白戦ではいろいろと変わってきます。練習試合で経験を積めるというのは良いこと。プレシーズンを11試合やることができたので、良い調整ができたと感じています」

昨シーズンの経験をプラスし「良い意味で余裕がある」

Bリーグ1年目のシーズンを終えた今オフ、大幅な刷新を進めるチームが多い中で、千葉は継続路線を選択した。それでも、チームトップの平均18.3得点を挙げたタイラー・ストーンの退団は大きな変化。この点において富樫は自身の役割をさらに重く見ている。「タイラーがいないということで、個人的に自分が去年以上のプレーをしなきゃいけないという気持ちです」

昨シーズンは終盤の大事な局面になると、富樫かストーンのどちらかを中心にオフェンスを展開していた。それが今シーズンは『富樫一択』となる。「接戦の時は自分かタイラーのどちらか、その日の調子が良いほうがボールを持っている時間帯が多かった。今シーズンはそこで自分に責任がくると思っています。責任を持ってこのチームを勝たせられるようにしたい」

チームを引っ張る重責に臆することなく、すべてを前向きにとらえる富樫。これは彼にとって大きな変化だ。1年前、昨シーズンの開幕時点ではそれだけの気持ちが持てずにいた。その前の2年間はプレータイムを得られなかった現実があり、「自分の中でも自信が中途半端になっていた」と富樫は振り返る。自信を失ったり、弱気になることはなかったが、「自分が絶対にアピールしなきゃいけない年」という緊張感を持ってBリーグ1年目の開幕を迎えていた。

結果的にチームと富樫のやりたいスタイルが噛み合い、一気に飛躍を遂げて『リーグの顔』と呼ぶべき存在となった富樫。チームを勝たせるという責任感、自分がその役割を負うべきという自信は、1年前とは別のレベルへとステップアップしている。「チームがそこまで大きく変わってない中で、余裕が生まれたと言うか。昨シーズンの経験があって、良い意味で余裕のあるプレーができている分、今は無駄な神経や体力を使わずにプレーできているのかなと思います」

『リーグの顔』へと成長し、タイトル獲得に自信

『リーグの顔』となった今、開幕に向けてハードな練習に取り組む一方でメディア露出も増え、取材対応に追われてもいる。「徐々に慣れてきてはいるんですけど、しゃべるほうは余裕がないです」と苦笑いするが、メディアの側からすれば常に明確な自分の意思を持ち、それを言葉で表現できる富樫は『リーグの顔』に相応しい存在だ。

あとは『昨シーズンの忘れ物』であるリーグタイトルを手にすること。相手からのマークが厳しくなるのは間違いないが、富樫の自信が揺らぐことはない。プレシーズンの結果を含めチームに手応えを感じ、「これからの可能性も感じているので楽しみです」と準備万端だ。千葉の開幕は9月30日、アウェーの西宮ストークス戦。B2王者を相手に、一回り成長した富樫がどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。