コアメンバーの残留により「連覇できる可能性は高い」
昨シーズンの優勝が決まった直後、ショーン・リビングストンは歓喜とともに一抹の寂しさを味わっていた。ウォリアーズでのキャリアが終わることを覚悟していたからだ。彼の契約は昨シーズン限りで切れることになっていた。同じタイミングでステフィン・カリー、ケビン・デュラント、アンドレ・イグダーラもフリーエージェントになり、全員と再契約するのは難しい状況。彼は自分がウォリアーズを離れる運命にあると覚悟していた。
しかし、デュラントが想定よりも大幅に低い金額での再契約を受け入れたことで、ウォリアーズはカリーと2億ドル(約223億円)超のスーパーマックス契約を結んだ上で、リビングストンにも再契約を提示することができた。かくしてリビングストはウォリアーズと新たに3年2400万ドル(約27億円)の契約を結び、気心のしれた仲間と一緒に新たなシーズンに挑む権利を得た。
リビングストンは『The Mercury News』の取材に対し、デュラントへの感謝を語った。「昨シーズン中にチームメートと契約の話をすることはなかった。実際に自分たちがフリーエージェントになった後もね。でも契約が決まった後、ケビンに直接電話をして、自分の気持ちを伝えた。減俸は彼がやらなくても良かったこと。フリーエージェントによる影響を理解していたし、チームに戻れたことを感謝している。彼の行動がなかったら、自分は残留できていなかったと思う」
デュラントの行動により、ウォリアーズは連覇に向けて欠かせないチームケミストリーを維持することにも成功している。昨シーズン序盤、デュラントが加入したウォリアーズの連携は必ずしも機能していたわけではなく、カリーが自己犠牲を課していた。試行錯誤の時期を経て、歯車が噛み合ったのはレギュラーシーズン後半戦からだ。
リビングストンは「今ではお互いのプレーを理解し合えている。コート内外で以前より快適にやれているよ。ポストシーズンになると、信頼し合う力に助けられる。プレッシャーのかかる状況ではケミストリーや経験、連携に頼る。ケミストリーは計り知れないくらい大きなことなんだ。今後何年もチームの利益になると思うね」と言う。
もしウォリアーズが2連覇を達成すれば、主力を残すために減俸を受け入れたデュラントの功績によるところが大きいと言われるだろう。リビングストンは、もちろんその意見に同意する一人だ。
「彼の人間性を示している。彼はアンセルフィッシュな選手で、謙虚なスーパースターだ。彼は勝ちたいと考えていて、その可能性を最大限に高めようとしている。コアグループを維持できて、ここ数年で成功を収めた経験を継続できた。連覇できる可能性は高いと思う」