ワールドカップで刺激を得て『個』のレベルアップに意欲を燃やす杉本天昇(日本大学)、『チームを勝たせる選手』への挑戦

2017/09/22
プレーヤー
269

文・写真=丸山素行

ゲームハイの22得点、ライバルへのリベンジに成功

9月20日に行われた関東大学リーグ第5戦で、日本大学は東海大学対戦した。終始主導権を握り、相手にペースをつかませず日本大学が勝利を収めた。ルーキーの杉本天昇は「強いディフェンスからの速い展開がうまく行き、外角のシュートがよく決まりました」と試合を振り返った。

「東海には新人戦の決勝でブザービートを決められて負けてしまいました。準優勝で悔しかったので、東海戦は特に気合を入れていました」と杉本はリベンジへの強い気持ちがあったと明かす。

その結果、ゲームハイの22得点を挙げてチームを勝利に導き、リベンジを果たした。「アグレッシブにゴールに向かう姿勢が得点につながったと思います。3ポイントシュートは全然入らなかったですけど、スリーだけじゃなくパスをさばいたり、チームのためにできることができたと思います」

勝利はしたものの、決して盤石な試合内容だったわけではない。終盤には東海大の激しいプレッシャーを受け、ボールを失うシーンが何度も見られ、反撃の糸口を与えてしまった。「東海大はディフェンスが強いので、第4クォーターで何本かカットされて自分も焦りました。スコアを見てもターンオーバーが多かったので、そういうところをもっと突き詰めていかないと」と今後の課題と向き合った。

高校ではスター選手でも、大学生になってすぐにプレータイムを確保できる選手は決して多くない。その中で杉本は1年生ながらチームの主力として先発出場し、両チーム最長となる37分間コートに立ち続けた。プレータイムを得られている理由を杉本はこう語る。「ハードにリングにアタックすることでは他に負けないので。あとは気持ちです。とりあえず負けず嫌いなんです。同学年はもちろんですけど、同じポジションの先輩にも絶対負けたくないです」

「一つひとつのシュートやパスの重みを知りました」

U-19ワールドカップで、男子日本代表が過去最高位となる10位という結果を出したことは記憶に新しい。U-19代表の一員として世界と戦った杉本は「ハードにいかないと全部通用しなかったので、フィニッシュを決めきる力が必要だと感じました」と語る。

ワールドカップを経験したことで、世界の中での自分の現在地を知ることができた。そのことがまた、負けず嫌いの杉本にとってはレベルアップの意欲になる。「もう一度日本代表選手になりたいですし、そのためには自己の努力が必要です。シュート確率や身体の弱さを実感したので、ウェイトトレーニングとか、練習終わりのシューティングなど一からやってます」

そして、彼の中で明確になったのは『点を取るだけの選手』ではなく『チームを勝たせる選手』になりたいという意識だ。「高校の時は20点、30点と普通に取れたんですけど、大学ではそんなに甘くありません。一つひとつのシュートやパスの重みを知りましたし、自分のチームを勝たせることが一番です」

こちらの質問に迷いのなく明確な答えを口にしていく姿は、すでに大人の風格を漂わせる。しかし、『普通の大学1年生』の面も不意に出てきて、そのギャップはどこか安心感を覚えさせる。「1年生って仕事多いじゃないですか。朝早かったり、ウェイトトレーニングが朝にあった後に授業に行ったり、最初は部活と学校生活の切り替えがうまくできなかったです。時間割も自分で決めて、すべて自己管理なので苦戦しています」と苦笑い。

「先輩たちが優しくて、授業のこととか教えてくれて助かってます」と先輩とのコミュニケーションは良好な様子。それでも杉本は、「コートに入れば先輩とか後輩は関係ないと思っている」とピシャリ。試合中は相手の頭を叩いて鼓舞するなど、先輩たちと対等に接する。

そう、勝負の世界に遠慮はいらない。強い気持ちを持って、『チームを勝たせる選手』への道を進む杉本。その成長に期待したい。