11月2日、福岡県予選の決勝で、福岡大学附属大濠は福岡第一と激突した。出場校が男女各50から60へと増えた今大会、福岡県には3つの出場枠があり、準決勝に勝った時点でウインターカップ出場は決まっていた。それでも、これまでしのぎを削ってきたライバルとの戦いは特別な試合だ。大濠は前半に大量ビハインドを背負いながら終盤に巻き返すも届かず。悔しい結果となったが、本当の勝負はウインターカップ、優勝するには福岡第一との再戦は避けられないと誰もが考えている。3年生としてチームを引っ張る西田公陽と横地聖真に意気込みを聞いた。
西田「2つの景色を見ているのは僕たちしかいません」
──ウインターカップの出場は決まっていたとしても、福岡県予選の決勝は必勝の意気込みで臨んでいたと思います。60-69で敗れた試合を、まずは振り返ってもらえますか。
横地 前半は良かったんですけど、自分たちがやっていたオフェンスが第1クォーターで上手く行きませんでした。ディフェンスではやられませんでした。前からプレスを掛ける練習をしていて、こんなに上手く行くとは思わなかったぐらいです。後半になっても足は動いていました。しかし、オフェンスが機能しなかったです。
西田 去年の3年生の思いもあって、やっぱり福岡第一にリベンジしたいという気持ちが強かったので悔しいです。それでも第一のオフェンス、特に速攻は抑えることができました。あとはこちらのピックを使った後のオフェンスが課題なので、ウインターカップまでの時間を有効に使わなくてはいけないと思っています。
──高校バスケで最後の大会に向けて、今はどんな気持ちですか?
横地 僕は1年生の時から試合に出て、インターハイで優勝してウインターカップで準優勝しています。でも先発でしたが実際は3年生頼りで、助けてもらっていました。2年生の時はU18日本代表でインターハイに出場できず、ウインターカップは予選で負けています。そういった面では今回のウインターカップに向けて他のチームより思いが強いと思います。両方を味わっているからこそ、どこにも負けない気持ちでぶつかっていきたいです。
西田 横地の言う通りで、その2つの景色を見ているのは僕たちしかいません。一番は去年の3年生の思いが強いことです。昨年の3年生は僕たちに優勝してほしいと思っていますし、先生からも第一を倒して優勝するという課題を与えられているので、それをクリアできるようにこれからやっていきたいです。
横地「走らないと勝てない試合が続くと思う」
──西田選手はバスケ一家で育った3兄弟の次男で、お兄さんは結果を残して今は東海大で、弟も大濠の2年生で頑張っています。
西田 兄は3ポイントシュートの精度も高いし、日本代表候補にも入ったりと尊敬する存在です。僕も弟もその背中を見て3ポイントシュートやドライブを武器にしてきたところはあるし、そこで誰にも負けないよう練習していきたいです。
──横地選手は1年生からスタメンを張って全国大会も慣れたものかと思いますが、ウインターカップまでにここを成長させたい、という点はありますか?
横地 やっぱり生まれ持った身体能力があるので、それを上手く使えるように練習から考えています。ジャンプ力には自信があるし、走るのも苦手じゃないです。ウインターカップは長い大会だし、走らないと勝てない試合が続くと思うので、もっと体力を付けたいです。
──福岡第一は絶対的なライバルだけど、2人が個人的に気になるチーム、負けたくないチームは他にありますか?
横地 チームは開志国際です。ライバルというか仲が良いのは中部第一の深田怜音なので、あいつとウインターカップで対戦して勝ちたいです。
西田 僕も開志国際です。理由は能代カップで悔しい負け方をしているからです。仲が良いのは星川堅信で、今年は洛南もウインターカップに出てくるので、対戦できたらいいなと思います。
西田「チャンスは100%、そうでなくても80%は決めたい」
──ウインターカップではどんなプレーを見せたいですか?
横地 自分の持ち味は1対1だと思っています。福岡第一とやる時は1対1だけだと厳しいので、自分が点を取るよりは自分に意識を集中させて他の選手にドライブで点を取ってもらっていましたが、福岡第一ほどディフェンスが強いチームは他にないと思うので、そこは自分で攻めに行きたいです。1対1からのシュートという得意なプレーを出しつつ、ディフェンスが寄って来たらアシストするという役目も果たしたいですね。
西田 ウインターカップまでにもう一度しっかり練習し直して、個人としては3ポイントシュートはほぼ決めたい、チャンスは100%、そうでなくても80%は決めたいと思っています。チームとしては当たり前のことをどれだけ徹底できるか、その部分を全国に示したいと思います。またチームとしては「誰からも愛されるチーム」になろうというマインドを持っています。そこも徹底して、悔いのない大会にしたいと思います。
──福岡第一に勝って優勝する、やはり目指すのはそこですか。
西田 そこしかないです。それだけが目標ですね。
横地 今回の福岡県予選もそうですし、福岡第一には今まで全部負けているんですけど、それでも全国に出て日本一を目指すチャンスがあって、そこで倒せたら最高だと思います。最後に勝てば本当の勝ちじゃないかと思うので、このチャンスを生かして優勝したいです。