写真=野口岳彦

田臥「チャンスがある以上は食らい付いていきます」

昨日の日本代表合宿の公開練習後、チーム最年長の田臥勇太と最年少の渡邊雄太が会見に応じた。

田臥が「いよいよ本番に向けてスタートで、時間も限られているので大事にやっていかなきゃと、改めて気が引き締まっています」と語れば、1年ぶりの代表参加となる渡邊は「とにかくハードワークで、限られた時間を一生懸命やりたい」と言う。

渡邊はこうコメントしている。「今回はリオの最終予選が近いということで、すごく緊張感を持っています。去年は学業優先で代表に参加できませんでしたが、今回は大学にも許可をもらって、最終メンバーに入るか入らないは別として最終予選までスケジュールを空けたので、良い緊張感を持って練習できています」

チームは今週を都内でのトレーニングにあて、来週は中国の蘇州で行われる『Atlas Challenge』という大会に参加して実戦経験を積む。シーズン終了直後なので選手個々の試合勘は問題ないが、チームとしての戦い方、連携の確認をする上では重要なテストの機会となる。

田臥は言う。「当然、勝ちにはこだわります。そうすることで見えてくる課題もあるので。そういったことをチーム全員でクリアして本番に備えられるよう、実りある大会にしなければ」

もっとも、田臥も渡邊もサバイバルレースに置かれた立場。現在16名の候補選手は、中国からの帰国後に本番想定の12名へと絞られる。渡邊はこう語った。「必ず誰かが落ちるので、一人ひとりがチームメートであり、またライバルでもあります。コート上で年齢は関係ないのでリーダーシップをもっと出して、しっかりアピールしてメンバーに残りたいです」

目指すのは生き残りではなくリオ五輪への出場権獲得だ。田臥が「自分たちで勝ち取ったチャンスなので、モノにできるよう全員で戦いたい」と語れば、渡邊は「僕は去年のアジア選手権を戦っていないので、機会を与えてくれた人たちに感謝して、あとは勝ちにこだわってやっていきたい」と言う。

最年長と最年少の2人だが、年齢に関係なく日本代表を牽引することが求められる。

田臥はオリンピック出場を懸けた戦いに臨むことでの高揚を隠そうとはしなかった。「去年のアジア大会、あれだけ勝ちたいと思うことはなかったです。OQT(世界最終予選)でまだ五輪への望みはあるので、チャンスがある以上は食らい付いていきます」

ところで、日本バスケット界の「レジェンド」である田臥と一緒のプレーは、若い渡邊にとってどんな感覚なのだろうか。「一緒にプレーできるのは光栄です。一年ぶりだったのですが、楽しくバスケットができました。まあ、ポジションは違うんですが、田臥さんもあくまでチームメートでありライバルです。マッチアップした時には勝ちにいって、お互いを高めていきたいです」