文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

永吉「太田さんを倒したら僕が日本一になれる」

京都ハンナリーズは9月30日に三遠ネオフェニックスを迎えて2017-18シーズンの開幕戦を迎える。昨日の『ティップオフカンファレンス』に登場した太田敦也と永吉佑也が、開幕戦での対決について語った。

太田にとって京都は少々嫌な相手。「bjの頃からやっていて、どっしりと構えてやってくる印象。そこに永吉が加わってさらに重みを増しているかもしれないですね」とコメント。一方の永吉は三遠について「インサイド、アウトサイドとバランスの良いチーム構成で、しかも走ってくる。総合的にしっかりしているチームだと思います」と印象を語る。

「僕たち2人で4メートル4なんで(笑)」と報道陣を笑わせた太田だが、永吉のマッチアップとなると「やっぱりでっかいのを吹っ飛ばして、魅せることも大事なのでダンクしてやろうと思ってます」と意気込む。年下の永吉はケンカを売られて苦笑しながらも「太田さんを倒したら僕が日本一になれると思っているし、開幕戦はホームゲームなので、京都の皆さんの前で僕を披露したい」と、こちらも強気な言葉が飛び出した。

国際経験も豊富な33歳の太田と、26歳でこれから全盛期を迎える永吉佑也。これから世界に打って出る日本代表にとっても、この2人のビッグマンがBリーグで切磋琢磨しながらレベルアップすることは重要なポイントとなる。

太田「スポットライトは『たまに』でいいです」

2人ともチームのために身体を張って泥臭い仕事をするタイプのビッグマン。ただ、そこから先のプレースタイルは同じではない。

太田は自身のスタイルを「自分のできることは限られていて、泥臭いことが仕事。勝利のために黒子に徹してシューター陣を支えて、スポットライトを浴びるのは『たまに』でいいです」と説明する。対する永吉は「太田さんとは対照的な意見なんですが」と前置きしてこう続ける。「限られたことじゃなく、限りなくやり続けたい。アジアカップを見ていても思いましたが、ビッグマンが3ポイントシュートをどんどん決める時代、自分もそういうシュートを打てるように。昨シーズンは5本か6本だった3ポイントシュートの数を1桁増やすぐらい打ちたいと思います」

太田は「永吉の強みはゴール下で身体を張れるところ。オフェンスでは力強くインサイドでプレーできるし、ディフェンスで相手に押し込まれないでやれる」と永吉のポテンシャルを称えると同時に「僕と永吉だと身長差があるので(太田206cmに対し永吉198cm)、その部分でアドバンテージを取りたいと思います」とマッチアップで負けるつもりは毛頭ない。

一方で永吉は太田について「身体を張る部分では代表合宿でもすごく勉強させてもらっています。経験がすごくあるので、いろんな部分での臨機応変さがあり、チームを救える選手です」と評価。ただこちらも「僕は若いですし走れます。太田さんがキツいという素振りを見せたらチャンスで、体力面でのアドバンテージを生かします」と対抗心を見せる。

笑みを絶やさないながらも負けん気をぶつける『新旧』日本人ビッグマン。Bリーグ開幕戦でこの2人が見せるバチバチのマッチアップは、チケット代を払って見る価値があるものになるはず。チームの勝利が最優先ではあるが、ゴール下での2人のぶつかり合いに注目したい。

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