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「やるか死ぬか」 気迫に満ちた先発全員が躍動

アウェーで連敗を喫し、ホームのクイックン・ローンズ・アリーナに戻って来た第3戦。キャバリアーズの絶対的エース、レブロン・ジェームズは前日の会見で「do or die」(やるか死ぬか)と発言し、まさに決死の覚悟でウォリアーズを迎え撃った。

前回の試合で、後頭部へのヒジ打ちによって脳震盪の症状を訴えたケビン・ラブが欠場する緊急事態。しかし、代わりに先発に起用されたリチャード・ジェファーソンがチームに活力を与える。

これまでと違い立ち上がりから激しいディフェンスを見せ、ウォリアーズにノーマークでのシュートを許さない。そして、ジェファーソンの3ポイントシュートが決まり9-0のランを決め、一気にリズムを作る。またトリスタン・トンプソンがオフェンスリバウンドを何度も奪い、セカンドチャンスポイントを重ねていく。最高のスタートを切ったキャバリアーズは1クォーターで33-16と大きなリードを奪った。

第2クォーターに入ると、ハリソン・バーンズとクレイ・トンプソンの追い上げに遭う。しかし、ここ2戦では思ったような活躍ができなかったJ・Rスミスが効果的な3ポイントシュートを沈め、流れを渡さない。また、これまで爆発的な活躍が見られなかったカイリー・アービングが前半だけで19得点を挙げチームに再び活力を与える。

また第2クォーター終了間際には、ハーフラインあたりからスミスがブザーと同時にシュートを放ち、これを沈めて会場は一番の盛り上がりを見せた。しかし、これはブザーのほうが一瞬早かったとジャッジされてしまう。ただ、ノーカウントにはなったが、この日のキャバリアーズの勢いを象徴するものだった。

51-43と8点差で始まった第3クォーター、堅い守りから得点を許さず、レブロンを中心に点差を広げていく。前半は強引に中に切り込んでいってのシュートがなかなか入らず苦しんだレブロンだったが、後半は無理に切り込まず外のシュートタッチが冴え得点を重ねていく。スミスとレブロンが連続で3ポイントシュートを沈め、70-48と大量リードを奪う。

これまで良いところのなかったステファン・カリーがこのクォーターで3本の3ポイントシュートを成功させるが、キャブスはすぐに得点を返しウォリアーズをリズムに乗せない。第3クォーター残り2秒にジェファーソンがレブロンからのアシストでダンクをお見舞いし、20点差で最終クォーターを迎えた。

キャバリアーズは最後まで激しいディフェンスを継続させ、難しいシュートを相手に選択させ、ミスを誘発させる。終始主導権を握ったまま戦い抜き、120-90と圧勝した。

レブロンが32得点11リバウンドのダブルダブルを記録し、アービングが30得点8アシストと力を発揮。また、スミスも5本の3ポイントシュートを含む20得点、トンプソンは7本のオフェンスリバウンドをもぎ取り、14得点13リバウンドの大活躍を見せる。ラブの代役ジェファーソンは9得点であったが、得点以上の存在感を見せていた。

ウォリアーズは前回28得点を挙げたドレイモンド・グリーンが6得点と大ブレーキ。エースのカリーは19得点を挙げるが、6つのターンオーバーを記録しリズムを作れない原因を作ってしまった。

激しいディフェンスからリズムを作り、これまでのうっ憤を晴らすかのようにすべてがうまくいったキャバリアーズ。これで1勝2敗とし、優勝へ望みをつなげた。次戦はラブが復帰する予定。調子が上向いてきたキャバリアーズは次戦に勝利し、対戦成績を五分に戻せるであろうか。ますます目が離せないシリーズとなる。

7つのオフェンスリバウンドを奪い、数字以上のインパクトを与えたトリスタン・トンプソン