長期戦を戦い抜くため『ビーガン・ライフ』を実行
昨シーズンのトレイルブレイザーズは西カンファレンス8位に滑り込み、何とかプレーオフ出場を果たしたものの、王者ウォリアーズの前に手も足も出せずスウィープ(0勝4敗)負けを喫した。今夏は特に目立った補強は実行せず。エースのデイミアン・リラードとCJ・マッカラムがカーメロ・アンソニーを勧誘したが、彼を『その気』にさせるには至らなかった。
昨シーズンのプレーオフ進出を逃したナゲッツとティンバーウルブズは大型補強を実施。西カンファレンスでは、厳しい競争の中で存在感を出そうと、どのチームも積極補強を進めている。ジェームズ・ハーデンとクリス・ポールのロケッツ、ラッセル・ウェストブルックとポール・ジョージのサンダー、新チームを作り始めたクリッパーズとジャズ、古豪マーベリックスと、例年にも増してプレーオフ進出最後の枠である8位争いが厳しくなるだろう。
現有戦力で勝ち上がる難しさが増している以上、選手個々がやれることをするしかない。それを誰よりも理解しているリラードは、長丁場であるレギュラーシーズン、そしてその先のポストシーズンを見据え、今夏は休みなくトレーニングを続けている。中でも興味深いのは、食事内容をビーガン(絶対菜食主義)に変え、体重を新人時代の86kgに落としたことだ。
リラードはInstagramに野菜中心の料理がテーブルに並ぶ動画を投稿。「ビーガン・ライフだ! 食事内容を変えたよ。人生を正しい方向に持っていくためにね」と語っている。動画のタイトルにある『190』という数字は、パウンド換算での体重を指す。
現代のNBAは、機動力がものを言う時代だ。大きな身体があっても、オフェンスのバリエーション、シュート力がなければビッグマンでも生き残れない。ポイントガードのリラードに求められるのは、俊敏な動きで相手ディフェンスを振り切り、自ら得点を決める、あるいはオープンなチームメートを探してパスを供給する役割だ。
指揮官テリー・ストッツからの信頼は絶対的なもので、ブレイザーズは完全にリラード依存型のチームになりつつある。リラードのようにオフェンスに必要なスキルを高いレベルで何でもこなせる選手ならば、身体にかかる負担も相当なもの。減量して関節にかかる負担を軽減することは、『マラソン』と形容されるレギュラーシーズンには欠かせない。
文字通りチームを引っ張る立場として今シーズンを迎えるリラードが、グッドシェイプに仕上げた肉体でパフォーマンスのギアを上げられるのかどうかに注目したい。