NBA初優勝のため、ベテラン最低保証額でキャブズへ
中国を訪問中のデリック・ローズは、今夏キャバリアーズとベテラン最低保証額210万ドル(約2億3000万円)で契約した。昨シーズンはニックスで2210万ドル(約24億円)の年俸を受け取っていたことを考えれば、実に2000万ドル(約21億7000万円)もの減給を受け入れたことになる。それもこれも、キャリア初の優勝を叶えるために選択したこと。そして、史上最年少の若さでシーズンMVPを受賞した2011年のようなプレーはもうできないという批判を覆すため、キャブズでレブロン・ジェームズらとともに戦うことを決意した。
そんなローズは、現在アディダスのプロモーション活動のため、中国を訪問している。現地で中国のファンが作成したビデオメッセージを見せられたローズは、心を揺さぶられ、ファンの前で涙を流した。
中国のファンはローズを「愛しています」、「日はまた昇る、バラの花も再び開く」というメッセージで激励。ローズと同様にバスケットボールをプレーするのに支障をきたすほどの重傷を負ったファンは「医師からは、もう2度とプレーできないかもしれないと言われた。でも、そんな自分に信じる力を与えてくれた存在こそ、あなたでした」と語った。
キャブズはカイリー・アービングとの交換でセルティックスからアイザイア・トーマスを獲得。トーマスが股関節の負傷から復帰するまではローズが先発ポイントガードを務めると見られているが、トーマス復帰後はシックスマンとして起用されるという意見も多い。ローズにとっては屈辱だろうが、現在の評価はキャブズとの契約に表れている。
普段なら他人の前で弱いところを見せないローズも、海外で、しかもアメリカから遠く離れたアジアでこれだけのファンに愛されていることを知り、感激したのだろう。
これだけの熱い激励に応えるには、キャブズの優勝に貢献するしかない。ローズは改めて再起を決意したのではないだろうか。
低評価を覆し、再びNBAトップスターに返り咲く戦いに挑むローズの今シーズンに注目したい。