戦力の揃わぬ三遠にオン・ザ・コート「2」で圧倒
アーリーカップ『東海北陸』大会、信州ブレイブウォリアーズが三遠ネオフェニックスを下して3位に食い込んだ。
信州は大会初日にホストチームであるアルビレックス新潟BBを撃破。2日目の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦には力負けを喫したが、それでも攻守両面で積極的にプレーし、今日の三遠ネオフェニックス戦も自分たちのバスケを遂行してB1チームを相手に結果を出した。
とはいえ、試合開始から0-9のランを浴びる最悪のスタートに。3日連続の試合とあって三ツ井利也以外のスタメンを入れ替えたことが立ち上がりの失速を招いた。
それでも、三遠も新外国籍選手のカルティエ・マーティンが故郷のテキサス州を襲ったハリケーンによる大洪水の影響で来日しておらず、ケガ人も重なりベンチに9選手しかいない苦しい状況。第2クォーターになって信州が外国籍選手オン・ザ・コート「2」になると、その不利は明らかだった。
信州の反撃のきっかけを作ったのは、2試合連続で30分近くプレーしたためベンチスタートに回っていたアンソニー・マクヘンリーの投入だ。琉球ゴールデンキングスで9年間プレーした『レジェンド』はこの夏に信州に移籍。新潟戦でも名古屋D戦でも攻守に軸となるプレーを見せていたが、この試合でも本領を発揮。第2クォーター開始とともに投入されると、すぐにインサイドの守備を立て直して反撃の起点となった。
マクヘンリーがコートに入ると、チームの動きが見違える。琉球で多くのタイトル獲得に貢献した彼の存在が良い方向に働いていた。第2クォーター開始から7分半、信州が喫した失点は鹿野洵生の3ポイントシュート1本だけ。22-3というビッグランで一気に試合をひっくり返した。
登録9選手が一丸となって戦う三遠だが、最後にミス
後半に入ると三遠も粘りを見せ、ベンチメンバー9人を目まぐるしく起用して食い下がる。外国籍選手がスコット・モリソン1人しかいない分は太田敦也が、シューター田渡修人の不在は鹿野と大石慎之介が埋めるも、走る展開に持ち込む回数で上回る信州が51-48とリードして最終クォーターへ。
終盤はリードチェンジを繰り返す混戦に。残り2分を切ったところで大石が3ポイントシュートを決めて三遠が逆転すれば、その直後に齊藤洋介が3ポイントシュートでお返し。64-62と信州がリードした残り0.8秒の場面、タイムアウトを取った三遠は最後のオフェンスをセットするが、鈴木達也が大石に逆転の3ポイントシュートを打たせる意図で出したスローインが連携ミスでラインを割り、万事休す。64-62で信州が逃げ切った。
マクヘンリーは要所での活躍が目立ったものの、プレータイムは19分。30分のプレータイムで太田とモリソンを相手に18リバウンドを記録したティム・デゼルスキ、3ポイントシュート2本を含むフィールドゴール7本中5本成功の高確率に加え4アシストの齊藤洋介も、昨シーズンのチャンピオンシップ出場チームである三遠を大いに苦しめた。
武井弘明が試合後に「挑戦者として、でも負ける気はなくやりました」と語ったとおり、カテゴリーの差はあっても臆することなく自分たちのスタイルに徹したことがB1チームから2勝を挙げる結果を呼んだ。昨シーズンは14勝46敗、B2全体でも下から2番目とふるわなかった信州だが、新シーズンは全く別の姿を見せてくれそうだ。