サンダー

ドレイモンド・グリーン「ひどいものだね」

ケビン・デュラントが退団し、クレイ・トンプソンが故障で長期離脱したことは、オフェンスではなくディフェンス力の低下という形でウォリアーズを苦しめている。122-141でクリッパーズに敗れた開幕戦に続き、サンダーにも92-120と完敗を喫した。

試合開始からダニーロ・ガリナーリに連続3ポイントシュートを含む8連続得点を奪われ、相手を勢い付けてしまう。ステフィン・カリーはチームに勢いを与えようと積極的にシュートを放つが、それ以外の部分でイージーなパスミスやトラベリングが出て波に乗れない。

流れを変えようと送り出すセカンドユニットも機能しない。逆にサンダーはベンチから出たデニス・シュルーダーが絶好調で、味方がスクリーンで作り出すチャンスを次々と決めてリードを広げていった。

前半終了時点で37-70。カリーの奮起に期待せざるを得ない状況だが、チームとして良いシュートチャンスを作れず確率が上がってこない。ボールプッシュする際に激しく寄せてきたテレンス・ファーガソンを押しのけた際、意図したものではないが股間にパンチを入れる形となり、カリーがテクニカルファウルをコールされてしまった。その数分後にはディアンジェロ・ラッセルが退場する。クリス・ポールのタフな寄せを受けながら得点を決めたものの、ファウルを取られないことで審判を面前で罵倒。第3クォーター残り7分で47-81という状況で、2度のテクニカルファウルを取られたラッセルは退場となった。

残り4分、チェックに行っているにもかかわらずガリナーリに2本連続で3ポイントシュートを許したドレイモンド・グリーンがベンチに下がり、第4クォーター開始時点でカリーも下げてウォリアーズは勝負をあきらめた。

開幕2連敗にグリーンは「ひどいものだ」と吐き捨てる。「みんな僕らのオフェンスを称賛したけど、僕らを偉大なチームにしたのは実際のところディフェンスなんだ。そのディフェンスが今は存在しない。今のチームはディフェンスが何なのかさえ理解していないよ」

一方のサンダーはクリス・ポールがプレータイムこそ短いが落ち着いたゲームコントロールでウォリアーズに付け入る隙を与えず、ガリナーリが21得点、シュルーダーが22得点、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーが19得点9リバウンドと活躍し、今シーズン初勝利を挙げている。

クリス・ポールは試合後、「ウォリアーズに何が起こったか」と報道陣に問われると、こう切り返した。「ウォリアーズじゃなく自分たちサンダーのことを話したい。僕らにはアイデンティティがある。ペースを押し上げてボールを動かし、正しいメンタルでプレーするんだ」

サンダーはチームの象徴だったラッセル・ウェストブルックが退団し、チェサピーク・アリーナはウォリアーズを迎えた好カードでありながら閑古鳥が鳴く状況。ただ、クリス・ポールやスティーブン・アダムスが要所を締め、アレクサンダーのような新たなエース候補も躍動している。ウォリアーズを圧倒した激しいディフェンスを基調としたバスケットが根付くことで、またファンをアリーナへと呼び寄せることができるはずだ。