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実現すればウォリアーズ級の『スーパーチーム』が誕生

8月31日、ようやくキャバリアーズとセルティックスのトレード成立が発表され、晴れてカイリー・アービングのセルティックス移籍が決まった。

アービング、ゴードン・ヘイワード、アル・ホーフォードの共闘が実現したことで、新シーズンのセルティックスは東カンファレンス内で『ストップ・ザ・キャブズ』の最有力候補になった。これだけでも強力なチームなのだが、なにしろ相手が強敵だ。ヒートとキャブズで7年連続でNBAファイナルに進出しているレブロン・ジェームズを打ち倒すのに十分かと問われれば疑問符が付く。

だが、セルティックスの将来は明るい。アービングが加入した今、セルティックスはどの選手も加入を望むチームになった。『ESPN』が可能性を示したのはアンソニー・デイビスの獲得だ。ペリカンズだけでなくアメリカ代表でも活躍、NBAのパワーフォワードの中でもトップクラスの実力を備えるデイビスは、2020-21シーズンまでペリカンズとの契約を残している。

しかし、彼が力強く牽引しているにもかかわらず、過去5シーズンでプレーオフ出場は1回のみ。昨シーズン途中にデマーカス・カズンズが加入して結成されたツインタワーが新シーズンも機能しないとなると、チームは軌道修正を余儀なくされる。その場合、デイビスがトレードの対象になることもあり得る。生え抜きのデイビスを放出するとなると、相応の見返りが必要となる。そこでペリカンズを納得させられるだけの条件を提示できるとなると、セルティックスしかいない。

今回のトレードでネッツの2018年ドラフト1巡目指名権と、ヒートの2020年ドラフト2巡目指名権をキャブズに譲渡したものの、セルティックスは2020年のドラフトを含め、条件付きながらもまだ1巡目指名権を9枠も保持している。もしツインタワーが不発に終わり、ペリカンズが再建に向かう場合、セルティックスは1巡目指名権に加えてジェイレン・ブラウンら有望な若手をトレードの駒として使える。

つまりは今回のアービングと同じ状況が生まれる、というわけだ。

もしセルティックスにデイビスが移籍すれば、アービング、ヘイワード、デイビスという超強力『ビッグ3』が誕生する。新人ジェイソン・テイタムが期待通りに成長すれば、名門セルティックスは完全復活を遂げ、ウォリアーズに対抗できるだけの力を手にするだろう。

アービングの移籍に伴い、セルティックスは今後、大物フリーエージェントにとっての希望移籍先となる。アイザイア・トーマス、ジェイ・クロウダー、アンテ・ジジッチを失いはしたが、NBA選手たちの間でのセルティックス株は『ストップ高』まで高騰しているはずだ。