「ディフェンスで生きていかないといけない」
横浜ビー・コルセアーズは、先週末の試合でホームに島根スサノオマジック迎えた。
第1戦は64-74で敗れ、第2戦では76-63で勝利した。第2戦でもビハインドを背負う場面があったが、途中出場でチームに勢いをもたらしたのが生原秀将だ。
10月11日の秋田ノーザンハピネッツ戦で鼻骨骨折をして以来の試合となった島根戦。第1戦は初めてフェイスマスクを着けての対人プレーとなり、「正直ぶっつけ本番だったので、感覚が全然違いました」と生原は明かした。
フェイスマスクを着けたことで視野が狭まり、光の反射もあって思うようにプレーができなかったのが第1戦での反省点。それでも「昨日の試合後、マスクを付けてこの会場で練習して、今日アジャストできました」と、課題を修正する姿勢が第2戦のパフォーマンスに繋がった。
追いかける展開が続いた第1クォーターの残り2分45秒。田渡凌と交代で出場した生原がディフェンスの強度を上げることで、横浜は徐々にリズムを取り戻した。生原はこの時のディフェンスをこう振り返る。
「この試合でも尚さん(橋本尚明)が出だしから良いディフェンスをしていたんです。尚さんは、チームの中でも特に強度が高いディフェンスができる選手で、それはベンチからも、普段の練習を見ていても感じています。そういった先輩がハードにやっているのに対して、控えから出る選手はそれ以上のディフェンスをして、エナジーを出さなきゃいけないと、すごく感じていました。だから僕が途中出場した時に、2人で厳しいプレッシャーをかけることができたのが良かったと思います」
特別指定のシーズンを抜きにしても、プロとして3年目。生原は自分のプレースタイルについて「プロとして生きていく中で、オフェンスの技術がすごい選手はたくさんいる。だけど自分はディフェンスで生きていかないといけない」と、ディフェンスに対する思いを強めている。
この言葉のように、生原は自分のマークマンだけではなく、ヘルプにもしっかりと入ることで、相手に簡単に得点を与えなかった。特に206cmのロバート・カーターのレイアップシュートにも正面からジャンプして止めに入るなど、積極的なディフェンスを仕掛けていった。
「外国籍選手の簡単なレイアップシュートに対して、あきらめて跳ばない選手はたくさんいます。完全にブロックはできなくても僕が跳ぶことで、ダブルクラッチやタフショット、右手じゃなくて左手でシュートを打ってくれたら、それだけで確率が数%でも下がると思います。ブロックできなくても跳ぶことは昔から心がけているので、今日も簡単に2点を与えなかったので良かったです」
「自分たちの走るバスケットをしっかりやることが一番必要」
指揮官のトーマス・ウィスマンもこの試合で、16得点2アシストの活躍を見せた生原のオフェンスについても絶賛した。「この試合ではジョルジー・ゴロマンが26点、そして生原もステップアップして16点も取ってくれた。他の選手のシュート確率があまり良くなかった場面で、この2人がステップアップしてくれたことが非常に良かった」
アーリーカップの時に今シーズンのテーマは「チーム全員で守る、走る」と言っていたが、この試合ではまさにそれを実現させて勝利した。それでも「まだ、数試合を終えただけで、これまでに勝てる試合も落としていて、それが現状だと思う」と勝利はしたが一切満足はしていない。
そして「どんな結果であろうと一喜一憂しないことが、すごく今のチームにとっては大事なことだと思う」と生原は言う。
「勝つ負けるというよりは、自分たちのディフェンスや、オフェンス、走るバスケットをしっかりやることが一番必要だと思います。今日みたいな試合を次の試合でもできるようにやっていきたいです」
横浜は開幕から現在3勝3敗となっている。明日も再びホームに新潟アルビレックスBBを迎える。まだケガをした鼻はズキズキと痛むようだが、攻守ともに活躍した生原が次戦でもどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、期待したい。