写真=Getty Images

強力ロスターの中で存在感は薄いが、本人は意気込み十分

2015年のドラフト全体3位でセブンティシクサーズから指名されたジャリル・オカフォーだが、まだ目立った結果を残すことができていない。1年目はデビューこそ上々だったものの、全く勝てないチームの悪い流れに飲み込まれ、街で一般人とケンカ騒ぎを起こすなどトラブルメーカーの面が強調されることに。そして2年目は華々しく活躍したジョエル・エンビードの影に隠れてしまい、存在感を失ってしまった。昨シーズンからトレードの噂も絶えない。

それでも、3年目となる新シーズン開幕に向け、オカフォーはビーガン(絶対菜食主義)となり約9kgの減量に成功したと『CSN Philly』に語っている。肉だけでなく乳製品さえ食べず、野菜を中心とするビーガン食にしたメリットをオカフォーはこう語る。「身体が軽くて非常に良い感じだ。今は身体のこと、健康のことを真剣に考えている。きっと良い結果に繋がるんじゃないかな」

叔父がビーガン食のレシピ本を参考に用意してくれる食事をオカフォーは気に入っており、豊富なメニューがあることから飽きずに続けられているそうだ。

もっとも、オカフォーを取り巻く状況は厳しいと言わざるを得ない。先発はエンビードでほぼ確定しており、今夏シクサーズはベテランのアミール・ジョンソンを獲得。同じく3年目のリショーン・ホームズも台頭し、フロントコートのポジション争いは激化している。

今のところベンチ起用が濃厚のオカフォーだが、プレーオフ進出も見込める新生シクサーズに彼自身も期待を寄せており、意気込みもまた過去2年とは違っている。「きっと楽しいシーズンになる。どういう結果を残せるかは分からないけれど、才能のある選手が揃った。だから健康な状態を保ちながら、辛抱強くやるつもりだ。すべてが一瞬にして変わるわけではないからね。それでも、結果を残せるメンバーは揃ったと見ているよ」

クラブ公式HPのプロフィールでは身長211cm、体重125kg。これだけのサイズがありながら機敏なフットワークがあるところがオカフォーの売りだった。9kgのサイズ減は極端で、動きにキレが出たとしてもセンターとして当たり負けしてしまうのではないか、急激な減量が身体のバランスを狂わしているのではないかと不安になるが、過去2年で結果を出せていない以上、変化へと舵を切るのは当然と言えば当然だ。

ルーキー時代に平均17.5得点を記録した力の持ち主だけに、スタイル変更がハマればシクサーズにとっては意外な『再発見』となるかもしれない。