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2010年のレブロンとは全く異なるケース、自粛が求められる

現地8月22日に成立したキャバリアーズとセルティックスのトレードにより、セルティックスはカイリー・アービングを、キャブズはアイザイア・トーマス、ジェイ・クロウダー、アンテ・ジジッチ、2018年のドラフト1巡目指名権を獲得した。

今回のトレード後、セルティックスのファン数名が、エースとして2年半チームを支えたトーマスのジャージーを燃やし、動画をSNSに投稿する愚行が起きている。

この行為は、2010年にレブロン・ジェームズがキャブズを離れヒートへの移籍を発表後、暴徒化したキャブズファンがクリーブランド市内で行なった行為だ。レブロンの残留を信じて疑わなかったファンの怒りが爆発したのだが、今回はトレードであって、トーマスが自ら退団を求めたわけではない。むしろトーマスは名門セルティックスの中心選手としてチームに残ることを希望していた。

今年の2月にクリッパーズがボストンで試合を行なった際、先日セルティックスが背番号34の永久欠番を発表したばかりの功労者ポール・ピアースとトーマスは食事をともにしている。そこでピアースから『セルティックスの選手に求められること』を伝えられ、激励されたばかり。最愛の妹をプレーオフ開幕前日に交通事故で失いながらもプレーしたのは、亡き妹のため、そしてボストンのためだった。

このような事情を知らないはずがないにもかかわらず、このような行為に走るファンの気持ちは理解に苦しむ。在籍期間は決して長くないし、優勝という結果を残したわけでもないが、『ボストン愛』を貫こうとしたエースに対するリスペクトは保たれるべきだ。この愚行がボストン内外で広がらないことを願うばかりだ。