白濱僚祐

「今日はディフェンスの勝利。僕らの成長の第一歩」

10月16日、秋田ノーザンハピネッツがアルバルク東京をCNAアリーナ☆あきたに迎え、総力戦の末に前年王者を上回り、65-60で熱戦を制した。

秋田は第1クォーターを23-13として優位に立つ。シュートタッチの良い古川孝敏にボールを集め、その古川が2本の3ポイントシュートを含む11得点と期待に応えた。A東京は先発起用された小島元基が開始5分で足を痛めて下がることになり、代わってコートに立った安藤誓哉が繋ぐもベンチ登録自体が9人と少ない状況でのアクシデントは試合を通じて大きな痛手となった。

一方の秋田は第1クォーターから使える10選手をフル活用。矢継ぎ早にフレッシュな選手を送り込むことでプレーの強度が自慢のA東京と互角に渡り合い、運動量では上回った。

しかし、36-25と10点リードで迎えた後半、ペースを落とそうと受け身に回った秋田に対し、A東京が逆襲に転じる。A東京は前半は劣勢だったリバウンドでアレックス・カークとミラン・マチュワンが奮起。後半開始から6分間を無失点でしのぎ、素早い速い攻めへと持ち込む10-0のランで猛追。中山拓哉がタフショットをねじ込み後半初得点を記録した秋田に対し、正中岳城が他の選手にディフェンスの注意が向く瞬間を見逃さず連続得点を挙げ、逆転に成功する。

カディーム・コールビー

屈しない秋田、王者の綻びを逃さず突いて勝利

しかし秋田は屈しなかった。がむしゃらに走るスタイルへと立ち返ることでリズムを呼び戻し、古川とのコンビネーションから抜け出したニカ・ウィリアムスがダンクを決めてリードを奪い返すと、細谷将司がマッチアップする安藤をスピードでブチ抜きレイアップを沈める。A東京の鉄壁の組織ディフェンスの綻びを突いた秋田が連続でイージーシュートに持ち込み優位に立った。

残り2分を切って58-54の場面、キャプテンの白濱僚祐がディフェンスで大仕事をやってのける。田中大貴が持つボールを突き、こぼれ球にダイブしてマイボールにすると、いち早く反応して走り出したカディーム・コールビーのワンマン速攻へと繋いでA東京を突き放す。

直後、田中に意地の3ポイントシュートを浴びるも、今度は細谷がハビエル・カーターのスクリーンを使ってマッチアップする安藤を引きはがし、3ポイントシュートをねじ込む。その後のファウルゲームをしのいだ秋田がA東京を破った。

プレータイムをシェアし、出場した全選手が得点もリバウンドも記録。まさにチーム一丸での勝利だった。キャプテンの白濱は「今日はディフェンスの勝利。僕らの成長の第一歩。これを自信にしてまた勝てるように頑張りたい」と語る。まだ2勝2敗と勝ち越したわけではないが、昨シーズンはA東京、千葉ジェッツ、宇都宮ブレックスのいわゆる『東地区3強』に一度も勝てなかった秋田にとって、この勝利の持つ意味は非常に大きい。

A東京は今シーズン初黒星。安藤は、小島のケガを受けてチームを支える働きを見せたが、勝負どころで結果を出せず。「ケガ人もいて苦しい状況ですが、自分たちもプライドがあるので、次の京都戦は何がなんでも勝つという気持ちで臨みたい」と巻き返しを誓った。

10月16日のB1 9試合の結果
秋田65-60A東京
千葉69-76宇都宮
SR渋谷83-76北海道
三遠71-80横浜
三河93-74新潟
大阪59-90京都
島根61-78滋賀
川崎69-73富山
琉球83-73名古屋D