新潟アルビレックスBB

柏木真介「今はチャレンジしている段階」

新潟アルビレックスBBは開幕からアルバルク東京、川崎ブレイブサンダースと対戦して4連敗。絶対的なエースだったダバンテ・ガードナーが退団したことで苦戦は予想されていたが、負けがかさむと精神的にキツいもの。中地区を制してチャンピオンシップへ進出した昨シーズンと比べればなおさらだろう。

ただ、柏木真介は「今はチャレンジしている段階なので。前半戦までぐらいは苦しむだろうと思っていました」と平静を保っている。

「負けてしまっただけじゃなく、なんで負けたのか、自分たちの課題を明確にして一つずつ積み重ねていかないと、そこで本当に痛い目に遭います。数字だけとかリバウンドだとか、そういう簡単な問題じゃない。なんでリバウンドが取れないのか、なんで崩れてしまうのか。そこには原因があるし、それに気づくことがまず大事で、チームとして修正できるかどうかです。今はそこが見えているのかどうか分からない。4試合しかやっていませんし、これからしっかり修正できればと思います」

それでも、ただ負け続けているわけではない。柏木は言葉を重ねる。「勝ち負けがすべてですが、それでも開幕戦で意外と自分たちのやりやすいところはたくさんあって、手応えもあります。マイナスな部分だけじゃなくプラスの部分を継続していき、課題を克服していきたい」

実際、A東京との開幕戦では28点差の大敗を喫したが、そこから点差は10、9、3と強豪相手に競るようになっている。「まずはディフェンスからやって、ペースアップするのが今シーズンのチーム方針です。今は東京さんにしろ川崎さんにしろ、40分間ハードにディフェンスをやるチームと対戦して、良いお手本を見せてもらっています。それぐらい自分たちもしっかりやって、そこから速い展開に持って行ければと思います」

ニック・パーキンズ

庄司ヘッドコーチ「一回リセットしなければ」

ガードナーに代わる得点源として期待されるのが新加入のニック・パーキンズだ。ここまで29得点、29得点、27得点、23得点とスタッツは残しているが、まだチームとして噛み合っている印象はない。庄司和広ヘッドコーチは「すごく頑張ってくれている」と称え、現状をこう見る。

「ローポストに預けて、というタイプではないのですが、残っている選手たちにそのイメージがどうしても拭いきれない部分がある。ローポストを起点とするスタイルではないし、そこで絶対的なパーセンテージを持っているわけではないので、チームとして一回リセットしなければいけないのですが、できていません」

過去3シーズンの新潟は、ガードナーの個人技を最大限に生かすスタイルを続けてきた。ガードナーとパーキンズのところ以外に選手の入れ替わりがないことで、それぞれに染みついた意識を変えるのが難しいのは無理もない。またもう一人の外国籍選手であるラモント・ハミルトンがプレシーズンに故障したことでチームスタイルの成熟が進まなかったのも出遅れの原因となった。

この点についても柏木は「とにかく我慢です」と繰り返す。「ニックは来たばかりだし若いし。ですが能力はすごいですから、そこを生かさないといけない。彼を慣れさせる必要もあるし、チームとしてやることを我慢強くやっていくしかない」

柏木真介

「チームみんなで若手をサポートする」

新潟の新しいスタイルはパーキンズだけではない。ベテランの五十嵐圭と柏木が多くを担っていたバックコートの仕事を、森井健太と今村佳太に移すことも重要な課題となる。ペースアップするにはタイムシェアは欠かせないし、クラブの将来を見据えてもやらなければならない。

柏木は若い2人への期待をこう語る。「本当に頑張っています。若いから良い時も悪い時もありますが、アグレッシブにやってほしい。その中で考えながら、学びながらやってほしいです。まだまだ言わなければいけないこともありますが、シーズンを通して成長してくれればいいと思います。若手の成長がチームの力になるので、チームみんなでサポートするので思い切りやってほしいです」

庄司ヘッドコーチも、先発の五十嵐、柏木に対してセカンドユニットを若いコンビに託すことでメリハリが出ると考えている。「2人は同じ年代なのでやりやすいと考えてそうしていますし、そこでテンポを上げたいというのもあります。これからどうなっていくか分かりませんが、現状ではそこが一番合っていると思います」

ガードナーが抜ければ得点力不足に苦しむと考えるものだが、庄司ヘッドコーチが考える課題は別のところにある。「ここまで感じるのはリバウンドのところが非常に弱く、テンポを上げようとしてもリバウンドが取れない。もう一つはイージーレイアップに繋がるターンオーバーです」

今夜は敵地でシーホース三河との対戦。つまりはガードナーを敵に回して戦うことになる。ただし、対ガードナーという意味では得点よりもリバウンドがカギになるのかもしれない。我慢の展開から勝機を見いだせるか。4連敗でも内容には見るべきものがあるだけに、新潟にとっては勝利が切望される。