レブロン・ジェームズ

「これからどうなるのか、みんなが考えている」

ロケッツのダリル・モーリーGMが香港で続く反政府と民主化のデモを支持する「自由のために闘おう。香港とともに立ち上がろう」とのツィートを投稿したことに対し、中国のファンやスポンサーが猛抗議。スポンサーが降りたり、ロケッツの中国での試合中継がなくなったりと、大きなトラブルへと発展している。

このタイミングで中国遠征を行ったことで騒動に巻き込まれたのがレイカーズだった。ネッツとのプレシーズンゲームは無事に実施されたものの、中国での試合中継は行われず、イベントも中止となり、両チームのメディア対応も行われなかった。

そんな中国での滞在を終え、レイカーズはステイプルズ・センターでウォリアーズとのプレシーズンゲームを行い、104-98と快勝した。この試合を前にレブロン・ジェームズは、「ダリルによる騒動については話したくない」と前置きしながらも、騒動についてコメントしている。

「彼は状況をしっかり理解していないまま発言してしまい、多くの人たちが被害を受けた。お金の面だけじゃなく、身体的にも感情的にもね。僕たちは自分のツィートや発言、行動について慎重でなければならない。もちろん発言の自由はあるんだけど、多くのネガティブな出来事が起こっていることも確かだ」

その後、レブロンは次のようなツィートを投稿している。「僕らのチーム、そしてリーグはとても難しい1週間を過ごした。誰もがツィートやリリースが他人に影響を与えることを理解しなければならない。これからどうなるのか、みんなが考えている。今週は様子を見ることになる」

このレブロンの発言は中国のファンを喜ばせ、またアメリカ国内では批判的に受け止められている。一方で今度は香港のデモ参加者がレブロンに猛抗議。NBAコミッショナーのアダム・シルバーもNBAを象徴するスタープレーヤーであるレブロンも、香港で起きている問題には目を向けず、自分たちNBAの経済的損失と政治的衝突を避けることしか考えていないと受け止めている。一部のデモ参加者は、レブロンのユニフォームを踏み付けたり、燃やす行動にも出ている。

「話したくない」と釘を刺したレブロンだが、記者の質問からは逃げなかった。各方面に最大限の気配りした発言でもこれだけの騒動になってしまった。この問題は誰もが避けて通りたいだろうが、黙ってドリブルするわけにはいかず、しばらくは振り回されることになりそうだ。