「 周りの人や、バスケットボールに本当に感謝している」
デリック・ローズがキャリアハイとなる50得点を記録した昨年10月31日のジャズ戦は、世界中のスポーツファンの心を動かした。2011年に史上最年少でMVPを受賞後、度重なる負傷により以前のようなプレーができなくなっていた彼の復活劇は、それほどまでに感動的なシーンだった。
ローズ自身にとっても、1年前の試合は精神的にもプラスとなっていて『SiriusXM NBA Radio』に出演した際にも、「気持ちの上で楽になった」と振り返っている。周囲への感謝の気持ちも語った彼だが、NBAでプレーする全員に同等のパフォーマンスができる実力が備わっているとも付け加えた。
「気持ちの部分で楽になったのと同時に、このリーグでプレーする選手のレベルの高さも再認識できた。大事なのは、チャンスを与えられるかどうかなんだ」
「どのチームにも、それぞれ役割を与えられた選手がいて、彼らはみんなスペシャリスト。ファンのみんなには分からないかもしれないけれど、たとえ周りから力がない選手と評価されていたとしても、実際には1試合50得点を決める力を持っている。冗談で言っているわけではないよ。チャンスを与えられれば、それだけのプレーができるんだ」
「そういう立場に立たせてもらえて、周りの人や、バスケットボールに本当に感謝している。僕もチャンスを与えてもらえたから、50得点を取ることができた。あの夜は、あらゆることのタイミングが重なったんだ」
ローズが言うように、NBAチームと契約できる選手は、それ以前の大学、あるいはプロチームで主力だった選手が大半を占めている。チーム事情によってプレータイムや役割こそ変わるものの、世界最高峰のリーグでプレーする機会が与えられるだけの実力の持ち主だ。
ケガの連続で評価がガタ落ちし、思うようなパフォーマンスができない時期が長かったローズは、自身のパフォーマンスを客観視し、NBAでプレーすることがどれほど大変なのかをあらためて理解した。