サンロッカーズ渋谷

40分間落ちなかったディフェンスの強度

サンロッカーズ渋谷がホームの青山学院記念館に千葉ジェッツを迎えた。

セバスチャン・サイズがマイケル・パーカーを、ギャビン・エドワーズが関野剛平をブロックするなど、ディフェンシブな立ち上がりとなる。

シュートが決まらず0-6と先行されたSR渋谷だったが、石井講祐のフリースロー、ベンドラメ礼生の3ポイントシュートが決まり、落ち着きを取り戻した。

互いに強度の高いディフェンスを披露し、シューターへのマークを徹底するなど、ハーフコートオフェンスで攻めあぐねる場面が目立ったが、速攻でイージーシュートの機会を作り出したことでロースコアの展開にはならなかった。

富樫勇樹に3ポイントシュートを決められ、40-43と3点ビハインドで前半を終えたSR渋谷だったが、後半に入り、ディフェンスからリズムをつかんでいく。

サンロッカーズ渋谷

リードを拡大した杉浦の3ポイントシュート

後半開始直後、関野の3ポイントシュートで同点に追いつくと、ハリーバックで富樫の速攻を狙ったパスをカットし、石井とセバスチャン・サイズのダブルチームで田口成浩からボールを奪取し速攻に繋げた。関野が前線からプレッシャーをかけ続け、セバスチャンの守備範囲の広さを生かし、チームディフェンスが機能したSR渋谷が逆転し主導権を握った。

千葉は西村文男を投入してペースアップを狙ったが、関野を筆頭としたプレッシャーディフェンスに苦戦し、流れを変えることができない。

そして、前半はセカンドユニットの時間帯で停滞していたSR渋谷だったが、強気にシュートを打ち続けた杉浦佑成が3本連続で3ポイントシュートを成功させ、30-15のビッグクォーターを作った。

最終クォーターに入り、西村に3ポイントシュートを浴びて富樫の個人技で失点するが、田渡修人が3ポイントシュートを決め返し、セバスチャンがオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントを決めるなど、主導権を渡さない。

残り2分、要所でシュートを決め続けたライアン・ケリーがショットクロックギリギリでフェイダウェイシュートを沈め、87-70としたところで勝負アリ。チームディフェンスで上回ったSR渋谷が88-80で勝利を収めた。

サンロッカーズ渋谷

「ディフェンスのインテンシティに尽きる」

昨シーズンのSR渋谷は東地区の上位3チームに対し、1勝もできなかった。価値ある勝利に、伊佐勉ヘッドコーチは「うちのクラブにとって大きな1勝」と、喜びを表した。

そして、「40分間フルコートでボールプレッシャーをやり続けた、ディフェンスのインテンシティに尽きると思います。ディフェンスから立て直せるということは試合が崩れません。ずっとディフェンスを準備してきて、40分間やってくれたのは大きい」と、ディフェンスの勝利であることを強調した。

一方、敗れた千葉の大野篤史ヘッドコーチは「相手のほうがタフだった。チームとして40分間戦う意識があった」ことを敗因に挙げた。

「フロントコートに早くボールを運んで、ペースを上げたかったけど、渋谷がすごいタフでポイントガードがつぶされてしまった。ハンドラーを2人入れないといけない状況になりましたが、アドバンテージが見つけれられず悪循環に陥りました」

リバウンドと速攻での得点は互角だったが、SR渋谷はターンオーバーからの得点で15-8と上回った。チームが目指すディフェンシブなスタイルを体現し、千葉超えを達成した。東地区の勢力図を塗り替える、そう感じさせる試合だった。