拮抗した展開を打ち破った篠山竜青のプレー
横浜アリーナで行われた2019-20シーズンのB1開幕戦、川崎ブレイブサンダースvs宇都宮ブレックスは、78-57で川崎が勝利した。
前半はお互いに一進一退の戦いが続く。川崎は立ち上がりから強度の高いディフェンスで宇都宮に自由を与えない。ただ、新チームとあって早めに選手を入れ替えることで出来にバラつきがあり、宇都宮に流れが行く場面もあったが、どちらにも決定打はなく、33-31で川崎がリードをして前半を折り返す。
両者ともにオフェンスよりディフェンス、積極性より細心の注意を払ったパフォーマンスでロースコアの展開となったが、第3クォーターに入ると試合が動き始める。篠山竜青を起点にズレを作る川崎のオフェンスが宇都宮のディフェンスを上回るようになり、前半にはなかったゴール下でのイージーシュートのチャンスが増え始める。篠山はボールを動かしてチームメートを生かすとともに、自ら打つべき場面では迷わずシュートを決めることでチームを勢いに乗せ、次第にリードを広げていく。
川崎のディフェンスを崩せない宇都宮は、タフショットをねじ込むことで食らい付いていたが、ボールへの執着心を出してセカンドチャンスに繋ぎ、難しいシュートを決めた直後にあっさりとイージーシュートを決められるシーンが目立ち、ディフェンスから流れを呼び込むことができない。重い展開の中でこのディフェンスのイージーなミスは大きな痛手となった。
昨シーズンは機能しなかった川崎の『オン3』が猛威
ここからリズムに乗った川崎は、帰化選手のニック・ファジーカスに加えてマティアス・カルファニとジョーダン・ヒースの『オン3』が猛威を振るう。宇都宮の武器であるリバウンドでも圧倒し、特にカルファニは変幻自在の動きからアシストも4本を記録。拮抗した試合から川崎が抜け出す上で大きな働きを見せた。
最終クォーター、プレーの強度を上げて打開の糸口を探る宇都宮に対し、川崎はリバウンドの優位を保つことで付け入る隙を与えない。シュートが入らなくてもインサイド陣がリバウンドを取り、得点に繋げることで点差を広げていく。藤井祐眞の敵陣からのプレッシャーがきっかけで大塚裕土の速攻が決まり、60-47。残り7分半にして試合の趨勢はほぼ決した。
川崎は篠山がフィールドゴール11本中8本成功(72.7%)の19得点、勝負どころでの活躍が光った。またファジーカスが20得点14リバウンド4アシストと貫録のスタッツを残している。
宇都宮が強みとするリバウンドで川崎が51-35と大きく上回ったのは驚き。ファジーカス、カルファニ、ヒースの3人が2桁リバウンドを記録したことが、この勝利を呼び込んだ。第2戦は10月6日、とどろきアリーナに舞台を移して行われる。