アービングが開幕までに移籍を望むなら『譲歩』が絶対条件
カイリー・アービングを取り巻く状況は、悪化の一途を辿りつつある。
キャバリアーズへのトレードを希望したことが明らかになって以降、その移籍先にばかり注目が集まっているものの、今のところ進展は見られない。
『Cleveland.com』によれば、デビン・ブッカーら優れた若手を多数抱えるサンズがアービングの獲得に強い関心を示しているという。キャブズからすれば、スター選手を放出する以上、相応の見返りを得る必要があるわけで、合意点を探るのはかなり難しい交渉になり。さらに今回のケースでは、アービングの意思も交渉が進まない理由の一つになっている。
キャブズと2020年の夏まで契約を残しているアービングは、フリーエージェント権を取得するまでどのチームとも契約延長を希望していないと、『Cleveland.com』は伝えている。フリーエージェントになり、その時点で自分が希望する条件で、最高の環境を与えてくれるチームに移籍したいという選手の気持ちは理解できる。だが、トレードで移籍する場合、大事なのはチーム同士の思惑が合致するかどうか。
憶測も含め、現時点で分かっているアービング、キャブズ、トレード先になるチームの希望は以下の通りだ。
・アービング個人の希望は、キャブズからの移籍と、現行の契約が満了する2020年にフリーエージェント権を取得すること。
・キャブズはスター選手の放出に見合うだけの見返りの獲得。
・アービングの獲得を希望するチームは、同選手との契約延長。
3者の希望をすべて叶えるのは骨が折れる話し合いになるが、少なくともキャブズの希望を満たすのであれば、今年の12月まで待つという選択肢もある。『ESPN』がリーグ関係筋からの情報として伝えた内容によれば、今オフに各チームと契約したフリーエージェント選手のトレードが可能になるのは12月15日から。アービング放出に見合うだけの選手獲得を希望しているキャブズにとっては、開幕までに無理にトレードをまとめるよりも、12月15日まで待つ方が交換要員の選択肢が広がり、各チームとの交渉も進めやすくなる、というわけだ。
もはや、この話を進展させるためには、アービングかキャブズのどちらかが妥協する他にないのだが、主導権を握っているのはあくまで所属先のキャブズで、アービングの希望を無理に適える必要はない。アービングが『絶対に』キャブズを出たいのであれば、3年後にフリーエージェントになるという希望をあきらめるしかないだろう。
シーズン開幕に向けたトレーニングキャンプの開始時期まで、あと1カ月あまり。果たしてアービングとキャブズは、フレッシュな気持ちでキャンプを迎えられるのだろうか。