渡嘉敷来夢

快勝にも反省「他の選手のことも引っ張らなれば」

アジアカップの2戦目、チャイニーズ・タイペイに対して日本代表は78-49と大勝した。

しかし、内容には課題が多い。特にオフェンスではボールが回らず、髙田真希と渡嘉敷来夢が個人能力で優位に立つインサイドにボールを集めて得点は取れていたが、チームでチャンスを作ることができなかった。特にこのチームの武器であるべき3ポイントシュートは試投数も成功率も低調だった。後半に入って町田瑠唯を軸にファストブレイクを何度も繰り出すことで流れを呼び込み、そこから一気に試合を勝ちに持って行けたが、3ポイントシュートは試合を通じて18本中4本成功(成功率22.2%)と伸びず。総得点78のうちペイント内での得点が46、フリースローでの得点が16とインサイド偏重が目立つ試合だった。

トム・ホーバスヘッドコーチは「前半は全然ボールを回しておらず、カッティングもしていませんでした。インサイドは効いていましたが、そればかりしていては我々のリズムがおかしくなってしまう」と勝利してなお、この点を課題に挙げる。

髙田と並びゲームハイの19得点、さらには11リバウンド3アシストと奮闘した渡嘉敷も、次のように反省の言葉を語る。「前半の苦しい時間帯に、攻めることを忘れずに得点を取りに行った点は良かったと思います。しかし、自分がプレーで引っ張ったあとに、他の選手のこともしっかり引っ張っていかなければいけなかったと反省はしています」

渡嘉敷来夢

今日の韓国戦に勝てばグループ1位で準決勝へ

ただ、国際大会ですべてが順風満帆に進むことはない。内容が悪い中でも立て直し、勝ち切ったことは十分に評価できる。ホーバスヘッドコーチも「本当にこの経験は大きいです」と評する。「このようなゲーム展開で気持ちの部分が少しでも足りなければ、20点差をつけられて負けていたかもしれません。そんな状況の中で、逆に29点差をつけて勝つことができて良かった」

同じく渡嘉敷も、悪かった点だけでなく後半のバスケットにフォーカスする。「後半は、チーム全員がしっかりと気持ちを切り替えることができ、29点差の勝利に繋げることができました。後半のバスケットは良い感じだったので、それをキープして戦えるようにしたい」

大会3日目の今日は韓国と対戦。韓国もここまで連勝しており、今日の試合で勝ったチームがグループAを首位通過することになる。もう一つのグループBでは予想通りオーストラリアと中国が連勝してグループ突破を決めた。グループ1位通過となれば明日が休養日となり準決勝に進めるが、2位通過に回れば明日にも試合をしなければならない。そういうことを抜きにしても、今日の韓国戦ではチームが抱える課題を解消し、勝利を収めてもらいたい。