アレックス・アブリネス

今年の2月にサンダーから解雇

2016-17シーズンから2018-19シーズンまでサンダーでプレーしたアレックス・アブリネスは、『一身上の都合』により今年の2月にサンダーから解雇された。

今年の7月に母国スペインのバルセロナ復帰が決まったアブリネスは、NBAを離れて半年以上が経ち、心の葛藤と戦っていたことを『Movistar』とのインタビューで明かした。

1、2年目までは順調にサンダーでキャリアを送ってきたアブリネスだったが、2018-19シーズンは苦しみ、31試合の出場に終わった。昨年末から欠場を続けていたが、2月1日のヒート戦には出場。しかし、それが最後の試合となり、その後解雇された。

アブリネスは、具体的に何に苦しんでいたのかは明かさなかったが、近年ではケビン・ラブがパニック障害の発作を患っていたこと、デマー・デローザンがうつ病と向き合っていることを公にするなど、心の病に苦しむアスリートは少なくない。

アブリネスは苦しかった時期について次のように語った。

「アスリートだって、ただの人間なんだ。だけど、普通の生活よりもプレッシャーと向き合って生きなきゃいけない。薬にも効果はあるけれど、最終的にはプロの助けが必要だった。友人や家族に打ち明けて、サポートがあって前に進んでいける。しかし、肉体的な痛みとは違って、精神的な痛みは、見た目には分からないし、ケガをしたひざを治療するようにはいかないんだ。これは似たような体験をしないと分からないと思うけどね」

さらに、彼は辛い時期に元チームメートのラッセル・ウェストブルックに支えてもらったとも明かし、オフにロケッツにトレードされた恩人への感謝の気持ちを述べた。

「ラッセルには、特に1年目に助けてもらった。遠征中は、たいてい彼と行動していて、一緒に映画を見たり、夕食を食べたりしていたよ。僕がチームの遠征に参加できない状態だった時も、いつも連絡をくれて、気にかけてくれていた。夕食にも誘ってくれたしね。同じ選手として以上に、人間として自分を気にかけてくれた。彼は冷静な口調で僕がすべきことを教えてくれたよ。そして『もし君がチームを離れることを決断するのなら、俺は支持する』とも言ってくれた」

再びスペインでキャリアを歩み始めたアブリネスは、サポートが必要な辛い時期に支えてくれたウェストブルックへの感謝を一生忘れないだろう。

メディアの前ではぶっきらぼうな印象が強いウェストブルックだが、家族、友人、チームメートへの愛情は深い。アブリネスが解雇された後も「今もアレックスとは毎日のように連絡を取っているし、これからも変わらない。彼は球団のために素晴らしい仕事をしてくれたから」とコメントしたウェストブルックは、きっと今も彼のことを気にかけているはずだ。サンダー時代の『兄貴』を安心させるためにも、アブリネスにはスペインで活躍してもらいたい。