マルク・ガソル

「代表に力を尽くす気持ち、忠誠心を伝えられる」

スペイン代表の一員としてワールドカップに臨んでいるマルク・ガソルは、数カ月前にラプターズでNBA初優勝という大仕事を成し遂げ、わずかなオフを挟んで代表チームのために力を尽くしている。

34歳の彼にはワールドカップの過密日程は相当厳しいはずだが、ダブル・オーバータイムの末に95-88で勝利したオーストラリアとの準決勝ではチームハイの33得点をマーク。残すは日曜のファイナル、アルゼンチン戦のみ。ガソルは決勝を前にしても、平常心を崩さない。

「今は次の相手に集中しないといけない。身体を回復させて、次の試合に勝つために必要なことに意識を向ける。大きな目標に意識を置いてはいけない。日曜の決勝は激しい試合になるだろうね。お互いにサイズがあって、気持ちも強くて、経験も豊富だ。才能ある選手も多い。どっちにしても、次の試合が終われば前に進む」

勝敗とは別に、ガソルには今大会に懸ける特別な思いがある。

「決勝に勝ち進んだことだけが大事ではないんだ。代表に力を尽くす気持ち、忠誠心を伝えられるチャンスがあることも僕にとっては重要なこと。それこそ、前の世代の選手から僕らが伝えられたことであり、今度は僕が次の世代に残す番なんだ。今年の代表参加は簡単ではなかったけど、それだけの価値は間違いなくあった」

スペインのワールドカップ決勝進出は2006年の日本大会以来。この時、ガソルは優勝メンバーの1人だった。

年齢を考えても、ガソルにとってはキャリア最後のワールドカップになる可能性が高い。だからこそ日曜の決勝でもハードワークを続け、今後スペインを引っ張っていく世代に代表でプレーする心得を伝えるつもりなのだろう。