新チームのコンセプトは『ボール・ムーブメント』
東カンファレンスの強豪に定着したラプターズだが、プレーオフでは2シーズン続けてキャバリアーズに敗れた。オフにはポイントガードのカイル・ラウリーとも再契約を結び、デマー・デローザンとの強力バックコート・デュオの維持に成功したものの、さらに上を目指すには変化が必要だ。
指揮官のドウェイン・ケーシーは、ラジオ番組『The Andrew Walker Show』に出演した際「これからはボール・ムーブメント、マン・ムーブメント、スペーシングを心掛けるメンタリティが必要になる」とコメント。この来シーズンの構想を実現させるため、ケーシーはデローザンのポイントガード起用を検討していることを明かした。
「デマー・デローザンは、ポイントガードとしてボールを扱うようになるだろう。繋ぎ役、それにパサーにもなってもらう。カイル・ラウリーの方がボールを回すタイプの選手で、スペースを作ってくれる。来シーズンの構想すべてを明かすつもりはないが、1対1よりも、パスを回してスペースを生み出すことの方が重要になる」
デローザンはシューティングガードの選手だが、昨シーズン後半ラウリーがケガで20試合を欠場した際には司令塔としてオフェンスを牽引。ラウリー不在の間に平均4.4アシストをマークするなど、司令塔になれるだけの資質があることを証明した。
またケーシーは、東のトップに立つためにはハングリー精神も必要と主張している。「昨シーズンは、あらゆる面において自己満足してしまった感があった。少しばかりソフトになっていたんだ。優勝を狙うには、チームとして鋭さを取り戻さないといけない」
昨シーズンは、ロケッツのジェームズ・ハーデンが同じくシューティングガードからポイントガードにコンバートして大成功を収めた。ハーデンとはタイプが異なるだけに、どういうポイントガードになるのかはやってみなければ分からないが、起用法の変更でまた一つ殻を破り、進化したデローザンが誕生するかもしれない。