高橋耕陽

Bリーグのスタートから3シーズン連続で残留争いに巻き込まれた滋賀レイクスターズだが、今オフには即戦力の選手を多数獲得し、躍進が期待できるだけの戦力を整えて開幕を迎える。ただ、可能性があっても、それをチームの本当の実力に変えるには時間も労力も必要だ。新戦力に注目が集まる中でも、特に序盤戦は既存の戦力が中心になって好スタートを切らなければ、チームの躍進はままならない。プロ4年目を迎えてエースの働きが期待される25歳の高橋耕陽に、新シーズンの意気込みを聞いた。

「自由にやらせてもらう中で、チームを勝たせる」

──まずは昨シーズンを振り返って、新しいシーズンに生かしたいことはありますか?

昨シーズンは前半戦に不甲斐ない自分を出してしまい、それを直す必要がありました。シーズン途中から修正できて、後半戦は良いプレーができたと思うので、変に考えることなく後半戦のプレーをそのまま出せればと思います。

ヘッドコーチから好きなようにプレーさせてもらっていて、僕としては感謝しているんですけど、自由にやらせてもらっている分、「このままでいいのか」と思ってしまいます。自由にプレーするのはいいけど、それでチームが勝てるのかどうか。

昨シーズンは出だしは悪くなかったんですけど、そこからどんどん成績を落としました。巻き返すのが難しいところから踏ん張って巻き返しましたんですけど、出だしの良さをずっと継続できるかできないかで、長いシーズンを通しての勝負が決まってきます。

チームの成績が悪くなるのに合わせて、自分でも「こんな自由にやってていいのかな」という葛藤がありました。それでストレスを抱えてしまい、パスが回らない状態を「どうにかしなきゃ」と思って、僕がさらに流れを崩してしまうようなことがありました。

──それでも後半戦になると良いプレーができたのは、何かきっかけがあったんですか?

伊藤大司選手や狩野祐介選手が僕にすごく配慮してくれて、いつも言葉を掛けてくれました。それが励みになったし、ミスがあっても次に生かそうと気持ちを切り替えることができました。それがなかったら後半戦も良いプレーはできなかったと思います。自由にやらせてもらう中でもどうやればチームを勝たせることができるのか、それを意識したのが後半戦でした。

高橋耕陽

「年々責任が重くなりますが、ワクワクが勝っています」

──では、今シーズンの滋賀はどんなチームになるでしょうか。

昨シーズンに比べると点を取れる選手が多いので、そこにどう合わせるかが大事だと思います。自分ばかりじゃなく周りに得点を取ってもらうべきところは取ってもらって、大事なところで自分が1本取る、という形ができればと思います。

チームとして『走るバスケット』をすることは変わりません。今はディフェンスを強化して、そこからの速攻を持ち味にしたいです。オフェンスのフォーメーションよりも全員で走るバスケをやります。

──その『走るバスケ』を自分が引っ張っていく、という意気込みがあるわけですね。

もちろんあります。僕と佐藤卓磨の2人で引っ張っていくつもりです。佐藤はもともと北海道の頃から知っていて、国体でも一緒でした。これまでも2人で一緒にコートに立つと「走ろうぜ」と話しています。僕らは走ることが取り柄だし、僕らが走ることで周囲もプレーしやすくなります。ウイングの2人でオフェンスを引っ張っていきたいです。

──それでは最後に、新シーズンの目標を教えてください。

年々責任が重くなって、それはプレッシャーにもなっていますが、ワクワクが勝っています。今このチームでプレーできることに幸せを感じているので、チャンピオンシップ進出を目指して全力で頑張ります。

高橋耕陽

Bリーグ4年目にして最も充実した戦力、躍進の1年に

新戦力に注目が集まる滋賀だが、昨シーズンの主力が残ったことがまず収穫。昨シーズン終盤にチームを支えたヘンリー・ウォーカ―の残留は大きいし、長期出場停止となっていた佐藤卓磨も戻って来る。層の薄かったポイントガードには、チームに勢いを与えられる若い齋藤拓実、苦しいところでチームを踏ん張らせるベテランの狩俣昌也とタイプの異なる2人を獲得。谷口光貴の加入で狩野祐介の負担は軽減されるし、ワールドカップを経験したシェーファー・アヴィ幸樹は、帰化選手のいないマイナスを補って余りある戦力となりそうだ。過去3シーズンと比べても戦力ではかなりアップしているだけに、ヘッドコーチのショーン・デニスの手腕が問われる1年となる。開幕戦は京都ハンナリーズとの滋京ダービー。西地区の勢力図を変える意味でも、敵地で京都を撃破したい。

滋賀レイクスターズ 2019-20シーズン 登録選手一覧

2 齋藤拓実(PG 171cm66kg)
4 狩俣昌也(PG 178cm75kg)
6 シェーファーアヴィ幸樹(C 205cm106kg)
11 佐藤卓磨(SG・SF 197cm93kg)
12 ヘンリー・ウォーカー(SF・PF 198cm100kg/外国籍)
13 中村功平(PG・SG 180cm80kg)
15 谷口光貴(SG・SF 187cm85kg)
23 チャールズ・ローズ(PF・C 203cm109kg/外国籍)
24 高橋耕陽(SG・SF 192cm80kg)
25 荒尾岳(PF 198cm105kg)
32 狩野祐介(SG 184cm80kg)
35 伊藤大司(PG 184cm77kg)

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