「僕とレブロンがオールディフェンシブチームに」
このオフにペリカンズからレイカーズにトレードされたアンソニー・デイビスは、チームの中心として勝利に責任を持つ覚悟を固めた。
レイカーズにはレブロン・ジェームズがいるが、彼は今年の12月で35歳になる。これまでは常にエースとしてチームを牽引してきたが、2019-20シーズンからはデイビスがレイカーズを引っ張るべきだと球団に進言した。
『Yahoo Sports』の取材に応じたデイビスは、このことに感銘を受けていると話す。「僕はこれまでのキャリアでチームの中心を担ってきた。特にペリカンズでね。ただ、レブロンのような格の選手から球団の首脳陣に向けて、僕をチームの中心にすべきと言ってもらえたなんて、とても名誉なことだ」
「責任があることなのは分かっている。でも、やり遂げたい。それだけの力が僕にはあると思っている。チームのサポートがあれば仕事はやりやすい。ウチは優れたチームだからね」
今月末から始まるトレーニングキャンプ前にチームメートを集めてラスベガスでミニキャンプを実施するなど、今後もレブロンはリーダーとしてチームをまとめる。ただ、チームとして成長するためには、時には誰かがレブロンにモノを言う必要もあるし、レブロンの代わりに結果に責任を持つ必要もある。
そのためにデイビスが主張するのは、昨シーズンの失点で21位(113.5)と振るわなかったレイカーズのディフェンスを改善することだ。「オフェンスは後からついてくるけれど、守備で可能な限りベストなチームになるために、レブロンを含むチームメートにも責任を課すつもりだ」とデイビスは言う。
「それができたら、毎試合で勝てるチャンスが生まれる。僕とレブロンがオールディフェンシブチームに選ばれないといけない。個人としての目標は、年間最優秀選手賞だ。現実的な目標ではないかもしれないけれど、失点を100点未満に抑えたい。それが自分たちの目標であるべきで、それができれば優勝を狙えるはずだ」
「コートに立てば23年間やってきたバスケをやるだけ」
このオフには、レイカーズ以外にもクリッパーズやロケッツが大型補強に成功し、2019-20シーズンも西カンファレンスは群雄割拠の時代が続く。それでもデイビスは「全員のコンディションが良ければ、このチームに限界はない」と言う。
「優勝できるチームだと思っている。勝つために必要なコーチングスタッフも揃った。あとは、気持ちや意識が重要になる。すべてはトレーニングキャンプから始まり、プレシーズン、レギュラーシーズンへと進んでいく。どのチームと対戦しても同じ気持ちで戦わないといけない。フォーカスすべきは対戦相手ではなく自分たち。勝つために必要なことに集中するんだ」
スモールラインナップが主流の現代NBAでは、デイビスをセンターで起用する時間帯も長くなりそうだ。本人はセンターでのプレーを好んでいないと明言しているものの、それは長丁場のシーズンを戦い抜くためだと話す。
「センターでプレーするのが好きじゃないのは本当のことだ。実際にそう言ったからね。でも、長いシーズンではスマートに考える必要があるからさ。ゴール下での戦いは身体的な負担が大きい。デマーカス・カズンズはケガをしてしまったけど、ジャベール・マギー、それにドワイト・ハワードのおかげで負担が軽減できる。そのおかげで82試合を戦えるし、プレーオフに臨めるようにもなる。ただ、状況次第だよ。もし自分が5番でプレーするラインナップを組むのなら、喜んでやらせてもらう。勝つためなら何だってやる」
ペリカンズ時代は相棒に恵まれなかったデイビスだけに、新シーズンへのモチベーションは高い。「準備は整っているよ」と、彼ははやる気持ちを抑えるように語った。
「神様が、高いレベルでバスケットボールをプレーできるだけの力を僕に与えてくれた。今シーズンからは、ビジネス的な規模もメディアの扱い方も大きく変わる。環境だってこれまでとは全然違う。でも、コートに立てば23年間やってきたバスケをやるだけ。目の前のチャレンジに燃えているよ。このチャンスに興奮している。早く始めたくてウズウズしている」