写真=Getty Images

偉大な選手と見込んだからこそのジョンソン流『英才教育』

ロンゾ・ボールがレイカーズの入団会見に出席した際、球団社長のマジック・ジョンソンは「お願いだから私の球団記録を一つくらいは残しておいてくれよ」と、メディアの前でボールに話しかけた。

まだNBAでの経験もない新人に対し、異例とも言うべき称賛。だがマジックは、これが単なるリップサービスではなく、明確な意図があっての行動だったことを明かしている。

『NBCLA』によれば、マジックは「偉大な選手はプレッシャーを欲しがるものなんだ」と語った。

「ロンゾは生まれた時からこの街に住んでいる。高校では州の王者にもなった。彼がUCLAに進学した時も周りから相当なプレッシャーをかけられたようだが、彼は結果を残し、地元の大好きなNBAチームのユニフォームを着てプレーする機会を手にした。このようなプレッシャーは付いて回るが、偉大な選手は重圧など朝飯代わりにたいらげる。私が現役の頃もプレッシャーはあった。私は全体1位指名選手だったが、そんなことなど気にも留めなかった。自分のプレーをするだけと思ったものさ。ロンゾも同じように彼のプレーをするだろう。偉大な選手とはそういうものだ」

ジョンソンの予見は的中。ボールはラスベガスでのサマーリーグで2度のトリプル・ダブルを達成したほか、平均16.3得点、大会最多の9.3アシスト、7.7リバウンド、2.5スティールを記録し、レイカーズ史上初のサマーリーグMVP受賞者となった。

歯に衣着せぬ言動で注目を集める父ラバー・ボールの影響もあり、ボールへの注目度は日に日に増している。そんな状況の中でロンゾがサマーリーグ同様のインパクトを1年目から見せることができれば、『ヤング・レイカーズ』の未来は明るい。ロンゾ・ボールはプレッシャーを力に変えることのできる『規格外の選手』なのかもしれない。