文=丸山素行 写真=FIBA.com

アルバルク東京で続くルカとの師弟関係

昨日、ソフトバンクによる男子日本代表激励会が行われた。

激励会に参加した馬場雄大は700人を超える人たちの声援を受け、「こういう会は初めてだったので緊張しました」とコメント。会の中で隣に座った小野龍猛にいじられるシーンが多々見られ、「先輩と後輩を見せつけられた感じです」と体育会系特有のノリに苦笑い。それでも「良い雰囲気でできたのでまたこれから頑張っていこうと思いました」と強化合宿中の良いリフレッシュになったようだ。

現在代表候補たちは強化合宿を行っているが、ヘッドコーチに就任したフリオ・ラマスはまだ来日しておらず、スポットコーチとしてファクンド・ミュラーがラマスの目指すスタイルを落とし込んでいるという。

「ラマスコーチが来てからやっていては遅いということで、一通り詰めていってます。最初は(前ルカ・パヴィチェヴィッチコーチと)まったく違うバスケだったので戸惑いました」

特に馬場はルカコーチの下で特別なワークアウトを行ってきたこともあり、戸惑うのも無理はない。それでも「今はもう共通意識のもとやれている」と頼もしい言葉が聞けた。

Bリーグ2年目のシーズンを迎えるにあたり、馬場が来シーズンからアルバルク東京でプレーすることになったのは少なからず驚かされた。だがさらに驚かされたのはルカもA東京のヘッドコーチに就任することになったことだ。その結果、A東京で馬場とルカの師弟関係は続いていくことになった。

「少しでもレベルの高い指導者に見てもらいたいと思っていたので、日本にいるならルカに教えてもらえるのが一番かなと思っていました。ルカのバスケットを一から学べるということで楽しみです」と期待に胸を躍らせている。

代表生き残りレース「それもそれで楽しい」

7月29日、30日にはウルグアイとの強化試合が行われる。

馬場は気負うことなく若さを生かしたいと意気込んだ。「責任を持ってプレーしたいですけど、若いので失敗を恐れずに練習してきたところをトライしていきたいです。外角のシュートやボール運びなど、トライできるところは積極的にやっていきたいです」

だが、相手は強豪のウルグアイ。FIBAランキングは日本の48位を上回る26位。「FIBAランキングも高いので、自分たちが挑戦者ということを忘れずに、自分たちの役割を明確にしてやっていきたい」とチャレンジャー精神を強調する。

「ラマス監督はルカ以上に、ファストブレイクなど走るバスケを展開すると聞きました。機動力は自分の強みなので、コートで体現していきたい」と意気込んだ。

現在の代表候補は24人。ここから半分がふるいに落とされ12人でアジアカップを戦う。東アジアカップでは12人に残った馬場に生き残る自信を聞くと、謙遜しながらも前向きな言葉が聞けた。

「いやあ、ルカの時は辻(直人)さんと古川(孝敏)さんもケガをしている中で、消去法みたいな形でなった部分もありました。今は全員が練習に参加して、良い雰囲気でやれているので、誰がどうなるか分からない状況です。それもそれで楽しいんです。ラマス監督が来てどうなるかというところなので、アピールしていきたいです」

アジアカップの先にはワールドカップ、そして東京オリンピックへと道は続く。馬場はその険しき道のりを進む覚悟ができている。「簡単な道のりではないことは分かっていますが、Bリーグができて子供たちに夢を与えられるのが東京オリンピック出場だと思っています。チーム一丸となってやっていきたいです」

経験豊富なベテランのような堂々とした受け答えを見せた馬場。頼もしささえ覚える若武者にこれからも期待したい。